境界が少なく自由に乗り越えられる社会とは? この物語の舞台であるトランスボーダー・インクは「境界を廃した会社」という理想を掲げる社長が率いる新しい会社だ。境界を廃することにより革新的なアイデアや製品を作り出すことが狙いだ。3人の創業者が社長と管理部長、営業部長としてトランスボーダー・インクを率いており、この3人以外は全員が標準職社員となっている。美少年系の青葉麻有はトランスボーダー・インクが3年後の上場を目指すIT企業だという点に魅力を感じ、どんな業務内容の会社かを知らずに採用面接を受けて内定をもらった。母親から「ブラック企業じゃないだろうね」と心配されたが、入社してみると、ホワイトどころか透明とも言える会社で、自由にクリエイティブな仕事をさせてくれるし、定刻に帰れる会社だった。その会社はトランスボーダーという名前のソフトウェアのメーカーで、女性戦士が美少年をつかまえて女性化するという内容のゲームで有名だった。入社してみると若い男性社員は特別な更衣室と大きいロッカーを与えられ、何かにつけて特別待遇されていた。しかし「特別待遇」が必ずしも心地よいものではないことが分かってくる。