モルモット
囚われて女にされて

第一章 悪夢の始まり

 穏やかな日曜日の朝、まだ夢から醒めやらないルイス・デイヴィーズはベッドに仰向けに寝たまま背伸びをした。

 見るからにハンサムで若さがほとばしる二十五歳のルイスの身長は百七十二センチ、一流のバドミントン選手に相応しい筋肉質な肢体だ。平らな腹筋、引き締まった健康的な脚と、バックハンドから強烈なスマッシュを打ち出せる頑丈な腕を持っている。

 ルイスの脚は世の中の女性が羨むほど美しい形をしている。男性のアスリートとしてはとてもデリケートな脚に見える。しかし、何と言っても最大の特徴は首から上で、男性には珍しいほど美しい顔だ。

 無邪気な明るい青色の瞳、気品のある真っすぐな鼻、ふっくらとしたピンク色の唇は見る人をうっとりさせる。角度によって唇の上部に微かに見える無精ひげは、豊かなブロンドの髪と同じ輝きを放っている。

 ルイスはまだ眠いまま爪先を動かし、自分の左側に横たわっているはずの身体に触ろうとしたが、そこに妻の身体はなかった。

「変だな」
とルイスは呟いた。

「ローレンは日曜日の朝は八時まで寝るはずなのに……」
 きっと気になる仕事があるから会社に行ったのだろう。ローレンはラットとかモルモットとかを使って動物実験をするために研究所に行ったに違いない。

 ローレンは……ドクター・ローレン・ウッドは二年前にルイスと結婚した研究者だ。ルイスより年上で三十代前半だが謎めいた感じがする美しい女性だ。

 彼女は内向的で強さと知性を持っており、オープンで人当たりの良いルイスとは正反対だった。ルイスは何事にもシンプルでいつも機嫌が良く、知的な難しい事には興味が無い。だからこそ自分とは正反対のローレンに魅力を感じたのだった。

 その時、赤ん坊の泣き声がルイスを現実に引き戻した。

 生後六か月の愛娘のAJ、アメリア・ジェーンが泣いている。ルイスは起きてすぐにAJの様子を見に行かなかったことを反省した。これでは父親の責任を果たしたとは言えない。

 ルイスは隣の部屋のベビーベッドに行って可愛い女の赤ちゃんを抱き上げた。彼女はピンク色をしていて父親と生き写しの顔をしている。

「どしたんでちゅか?」
とルイスはAJが理解できるはずの言葉で問いかけた。

「どうしていたずらっ子ちゃんは泣いてるんでちゅか?」
 その質問に対する答えとしてAJは泣き続けた。

 お腹が空いているから泣いているのだろうと判断し、ルイスはAJを抱き上げて左右に揺すりながら冷蔵庫まで歩いて行った。AJをあやしながら哺乳瓶を見つけてベビーミルクの袋を開封した。

 その時突然、三人の男が家に乱入した。

 黒いジーンズにティーシャツを着てフード付きのパーカーで頭を覆い、黒いマスクをした男たちだった。そのうちの一人はスミス・ウェッソンの三十二口径のリボルバーを構え、一人は右手にブッチャーズ・ナイフを、左手にはフィールドホッケーの棒を持ち、残りの一人はフィールドホッケーの棒だけを持っていた。三人とも軽く百八十センチ以上の長身で、ルイスとは比較にならないほどがっしりとした身体つきだった。

「赤ん坊を下ろせ」
と一人の男が低い唸り声で命令した。

 ルイスは信じられないという様子で立ちすくんだが、まず頭に浮かんだのは「これはジョークの一種に違いない」という考えだった。友達の誰かが自分をひっかけるためにドッキリを仕組んだのだ。それにしても三人で押しかけるとは若干やり過ぎだ。

「ロビー! キミだね、分かってるんだから」
とルイスはブッチャーズナイフを持っている男に笑いながら言った。

「顔を隠しても、丸わかりだよ」

「お前はアホか?! 俺はロビーなんかじゃない」
と男が言ってブッチャーズナイフをルイスの首に押し当てた。
「死にたいのか?」

 刃渡り二十センチのナイフが窓からの日差しを受けてキラリと輝き、ルイスは彼らが本物の強盗だと悟った。

 男のうちの一人がホッケーの棒を床に置き、ルイスの腕からAJを乱暴に取り上げた。その男がAJをソファーに投げ捨てるように置いたので、AJは可愛い小さな顔を真っ赤にして大声で泣き始めた。ルイスはショックで凍り付いた。

「言う通りにしないと赤ん坊が死ぬぞ」
と拳銃を持った男がルイスを脅した。
「そいつの頭を床に叩きつけてグシャグシャにしてやろうか」

 その男の言葉を聞いて頭に浮かんだ光景だけでルイスは失神しそうだった。

 自分がしっかりしなければAJを守れない……。ルイスは深呼吸をして気持ちを立て直した。

「言う通りにしますから、子供には手を出さないでください」

 男はルイスに近づいてルイスの腕をねじあげ、両手を後ろに回させてずっしりと重い手錠をかけた。

 男は熊のような手でルイスの左肩を掴み、ルイスを玄関から乱暴に引っ張り出して前庭に出た。AJは大声で泣き続けており、泣き声が玄関にまで響いていたが、玄関のドアが閉まると聞こえなくなった。

 ブッチャーズナイフを持っていた男がジーンズのポケットに手を突っ込んで鍵を取り出し、玄関ドアをロックした。その鍵をポケットに戻そうとしていた時、鍵にLWと刻印されているのがルイスの目に入った。LWとはローレン・ウッドのイニシャルだ。

「ちょっと待て!」
とルイスは危険を顧みずに叫んだ。
「それは僕の妻の鍵じゃないか! 妻に何をしたんだ?! 妻はどこなんだ?」

 大変なことになった。やつらはルイスに手錠をかけ、お腹をすかせた赤ん坊を部屋に放置したままルイスを拉致しただけでなく、妻のローレンにまで手を掛けた可能性がある。妻はもう生きていないかもしれない……。

「答えろ! ローレンにいったい何をしたんだ? この、くそ野郎どもめ!」

 悪党たちの答えはシンプルだった。

「うるさいガキだな、近所迷惑だから静かにしていろ」
と言って、ルイスのピンク色の唇の上に男の一人がガムテープを貼りつけた。

「これで声は出せないだろう」

 ルイスは黙ったまま悶々とするしかなかった。地獄のような時間だった。

 抵抗するルイスは男たちの頑強な腕によって前庭の芝生の横の道を引きずられた。

 ルイスの豪邸の鋼鉄製の門をブッチャーズナイフの男が押し開けると、門の前にはハイソなメイフェア地区に相応しくないポンコツの牛乳配達車が停まっていた。男が青灰色のヴァンのハッチバックを開けてルイスを押しこんだ。ルイスがむき出しの床に倒れるとドアがバタンと閉まった。

 フィールドホッケーの棒を持っていた男が助手席に座り、ブッチャーズナイフの男は後部座席に座った。拳銃の男は荷室に転がっているルイスの横に来て、銃口を首の付け根に押し当てた。

 ルイスは首が冷や汗でじっとりと濡れるのを感じた。

 運転席の男がイグニッションキーを回した。古いエンジンがブルンブルンと振動し、ポンコツのヴァンは賑やかな音を立てて動き始めた。牛乳配達車はロンドンの街路を進み、拳銃の男は銃口をますます強くルイスの首根っこに押し当てた。

 ブッチャーズナイフの男が手を伸ばしてナイフの先でルイスの背筋を撫でた。ルイスは抵抗を試みるのは得策でないと思い知った。

 牛乳配達車は信号で何度も停まりながらロンドンの市街を走る。男たちの会話を聞いていると、彼らの言葉が普通のイギリス英語ではないことが分かってきた。先ほど彼らが家に乱入した時も、言葉遣いや発音が変なことには気づいていたが、彼らはOLDを「オウルド」と発音せずに「アールド」と「オールド」の中間のように発音するし、DIRTYの代わりに「クラッティー」、STUPIDと言うべきところを「グリーキット」と言う。そんな言葉を使うのはスコットランド人だ。

 スコットランドの凶悪犯が一体何をしに来たのか想像もつかなかった。しかし、どこの出身であろうと誘拐する目的といえば限られている。

 ルイスはニ十歳の時に全英選手権で優勝したバドミントンの選手だ。その前にコモンウェルスゲームズの未成年の部でも金メダルを獲得していた。ルイスはスマッシュ速度で時速百六十六マイルの記録を持っており、世界ランキング上位の選手だ。

 控えめに言っても、いわゆるセレブに属することは否定できない。自分の力で名声と富を勝ち取った人間として、ルイスの写真は全国にばら撒かれている。だから自分を拉致したのがスコットランド人でも何の不思議も無いのだ。

 犯罪の目的は当然お金だ。自分のような男が身代金以外の目的で拉致されるはずがない。

 きっと犯人グループからローレンに身代金を要求する電話がかかるはずだ。しかし、もしローレンが殺されていたら犯人に身代金を振り込む人が居なくなる。ルイスの父親は二年前に亡くなり、その一年後に母親も他界した。親類と呼べる人は七、八人居るが殆ど付き合いはない。

 車が高速道路に乗ったことがルイスにも分かった。大きなエンジン音を響かせながら牛乳配達車は走り続ける。絶望的な気持ちになって床に転がっているルイスは目を閉じた。車がどこに向かっているにせよ、早く着いて、この状況を早く終わらせて欲しい……。

 

 長い時間が過ぎた。朝起きたのは午前八時前だったが、既に昼になっているかもしれない。

「まだ先は長いから、そいつを座らせろ」
とブッチャーズナイフの男が言った。彼が三人のボス格のようだ。

「生かしたまま連れて来いと言われているから、気を付けて扱え」
 拳銃の男がルイスの肩を荒々しく掴んで後部座席の一つに座らせた。

 そのお陰でルイスは窓外の景色が見えるようになった。

 日が高くなっていた。息を吸い込むと潮の香りがした。

「海の近くを走っているんだ」
とルイスは推測した。窓外の景色は見慣れたイングランドとは何かが違う。美しい田園風景ではなく寒々とした荒れ地が広がっていて、険しい山の向こうには別の山が重なって見えている。どこだかは分からないが海岸線が鳥瞰できた。多くの入り江、湾や半島が入り組む海岸線で、幾つもの川が湾に流れ込んでいる。

 車が公衆トイレの前に停車したのでルイスはほっとした。逃亡のチャンスだと思ってほっとしたのではなく、それ以上我慢できなくなっていたからだった。崖の上の見晴らしポイントにあるトイレだったが全く人気ひとけは無かった。犯人の一人がジャンパーのポケットの中の拳銃をルイスの腰に押し付けているので、仮に誰かが来たにしてもルイスは逃げようとはしなかったはずだ。

 しばらく走っていると、窓外の景色は更に寒々とした感じになってきた。雲間からの光はすっかり消えて不気味な黒い雲が下りて来た。

「雨が降りそうだ」
 ルイスがそう思ってから一分もしないうちに台風のような風が吹き始め、低く垂れこめた雲を視界から一掃した。降雨の可能性は限りなく低くなった。その後に残ったのは陰気で薄暗い静けさだった。空の色は、まるで夜になったかのような灰色に変わっていたが、まだそんな時刻ではないはずだ。

 狭い橋を越えて牛乳配達車が停車したのは、どこかの島か半島の先端部分のような場所で、巨大な岩が並んでいた。入り口のフェンスには「高圧電流注意」と掲げられている。フェンスの向こう側の岩は火成岩だ。その中に身をくねらせた毒蛇の鎌首のような形をした岩がルイスの視線を捉えた。見たことが無い形の岩だった。

「降りろ」
とブッチャーズナイフの男が言って、ルイスは牛乳配達車から降ろされた。

 ブッチャーズナイフの男が岩陰で何やら機械を操作するとカチャリと音がした。フェンスの出入り口の鋼鉄製のドアが解錠されたようだ。

 口をガムテープで塞がれたままのルイスは男たちに囲まれてフェンスの内側に入り、暗くて恐ろしい夢を見ている気持ちで岩場を歩いた。

 巨大な岩の陰を歩いている時にブッチャーズナイフの男がルイスに命令した。

「そこの岩の上にうつ伏せになれ」

 ルイスの心臓は恐怖で爆発しそうだった。運転手がスコッチウィスキーの瓶を手に提げているのにルイスは気づいた。

 四人の男たちがルイスを取り囲んだ。ルイスは岩に手と膝をついたまま、そびえたつ巨人のような彼らを見上げた。それまでの人生で、自分がこれほど弱々しい存在だと感じたことは無かった。犯人たちと会話が出来れば彼らの意図が分かるだろうし、身代金のやりとりに関する交渉も可能かもしれないが、テープで口をふさがれているのでウーウーとしか言えなかった。

 四人の男たちはしばらくルイスを見下ろしながら煙草をくゆらせていたが、
「そろそろ連れて行くか」
と一人が言うと、
「いいけど、ちょっと惜しいな」
ともう一人が言い出した。

「何が惜しいんだ?」

「こいつ、上玉じょうだまだからさ……」

「はあ? どういう意味だ? はっきり言えよ」

「連れて行く前に俺たちがろうぜ。男には見えないほどすべすべしているし、そこら辺の女よりもイケてると思わないか?」

「そう言われると俺も勃って来たぜ」

 ルイスは男たちが何をしようとしているかを悟って真っ青になった。

「よし、順番を決めるぞ」

 四人はルイスを取り囲んだままじゃんけんをした。ルイスは泣きたい気持ちで男たちを見上げて、ウーウーと懇願の声を上げた。

「勝ったぞ!」
と言い出しっぺの男が手を高く上げて、ルイスのズボンを脱がせパンツを引き下ろした。

 ルイスは恥ずかしさで真っ赤になった。

 ルイスは岩に両手をついたまま必死で情けを懇願したが、ウーウーという声はルイスの意図と正反対の影響を男たちの股間に及ぼした。

 男たちの足元から這って逃げようとしたが無駄だった。二人の男に足首を掴まれて下半身を持ち上げられ、ルイスは両手を岩について身体を支えた。言い出しっぺの男が唾を付けた中指を挿入すると、男たちは卑猥な笑い声で囃し立てた。中指が出入りするのに呼応するようなルイスの呻き声は波の音に空しくかき消された。指が二本に増え、三本になると、足首を握っていた男たちは手を離したが、ルイスには抵抗する力は残っていなかった。

「早くれよ!」

「こいつ、入れて欲しいと言っているぜ」

 ついに男の物が挿し入れられた時、ルイスはウーッと長い叫びの呻きを洩らした。

「こいつ、感じてるぞ」

「俺も早く入れたい!」

 最初の男が腰を前後させている間、他の三人の男はスコッチを回し飲みしながら卑猥な冗談を言って囃し立てた。

 ルイスにとってそれ以上の屈辱は考えられなかった。尻を引き裂かれるような痛みと未曽有の屈辱は、やがて絶望に代わった。

「この苦しみはもうすぐ終わる……あと三人で終わる。僕を生かしたまま連れて行くのが彼らの役目だから。でも、今起きていることは誰にも知られたくない。僕のファンにも、友達にも、ローレンにも、AJにも。特にAJにはどんなことがあっても隠しておきたい!」

 世界中の子供にとって親は保護者であり養育者だ。もしAJが「私の強いパパが女のように強姦された」と知ったら、彼女は心に大きな傷を負った少女になるだろう。今起きていることは秘密として墓場まで持って行こうとルイスは誓った。

 ルイスの腰の括れに爪を立てながら、男が大きな声を上げた。お腹の奥深くが大量の熱いもので満たされる感覚がルイスの自尊心を粉々に打ち砕いた。

「次は俺の番だ」
と言ったのは運転手だった。

 周囲から口笛で囃されてピストン運動が始まった。

「あと三人だけだ。もう少しで終わる」
と自分に言い聞かせるが、一人目だけで身体も心もボロボロであり、これが三倍も続いたら自分は生きていられないかもしれないと思った。

 ルイスは心を空っぽにして耐えた。犯人が欲しいのは身代金であり命ではない。身代金と引き換えにローレンとAJの元に帰れるはずだ。その後、何も起きなかったかのようにローレンとAJの祝福を受けながら暮らせばいいのだ……。

 二人目の粘液がお腹の中に注ぎこまれ、三人目の物に貫かれると、今にも下痢をしそうだという感覚に襲われた。抜かれた時にお漏らしをしたかのように太股が濡れた感じがあり、出し入れする度にグチュグチュという恥ずかしい音が響いて、男たちが大声で囃し立てる。涙を流し、首を左右に振りながらウーウーと泣きわめくルイスの姿が男たちをますます活気づけた。

 三人目がルイスの中で破裂し、四人目が永遠に終わりそうにないほど長い時間をかけてルイスの身体を蝕んだ。最後の粘液のほとばしりを身体の奥の壁に感じた時、ルイスは不覚にも達成感で満たされた。

「やっと終わった……」

 自分が男ではなくなったような気がした。でも、拷問は終わった。

 その時、

「もう一回やりてぇー」
と拳銃の男が言い出し、
「二ラウンド目の順番を決めようぜ」
と言ってじゃんけんを始めた。

 それまでずっと耐えて来たルイスの緊張の糸が切れて、ルイスはウーウーと大声を上げながら泣いた。

「タイムアップだ。出発するぞ」
とブッチャーズナイフの男が宣言した時、ルイスは神さまに感謝した。

 ルイスは泣きながら自分でパンツとズボンを履いた。男たちは黒い布でルイスに目隠しをした。

「立て、行くぞ」
 ルイスは何とか立ち上がったが、歩く力は残っていなかった。男の一人がルイスを軽々と抱き上げて右肩に乗せた。ルイスは心臓を撃ち抜かれた小鹿のようにぐったりとしていた。

 

 目隠しが取り除かれると、ルイスはむき出しの床の上に仰向けになっていた。口を覆っていたガムテープはいつの間にか剥がされていた。天井と壁は真っ白で、床のタイルは寒々とした青だった。消毒剤の臭いが立ち込める、湿気の強い空間だった。寒くはないのに背筋が凍えた。病院のような……研究所のような場所だ。

 ルイスはすぐ傍にローレンが立っているのに気付いて驚いた。

「ローレン……よかった、無事だったんだね」

 ローレンはルイスの目をまっすぐに見下ろして言った。
「生命科学のまばゆい檜舞台に到達するには、暗く恐ろしい所を通り抜ける必要があるのよ」

 彼女の声には何かに憑りつかれたような響きがあって、普段の声とは違っていた。自分の妻から意味の分からないことを言われてルイスは当惑した。

「ルイスはまだ研究室に来たことが無かったわね。案内してあげるわ」
とローレンが普段の声で言った。

「えっ、ここはローレンの職場なの? よく出張に行くスコットランドの研究所? でもあの悪いやつらはどうして僕をローレンの研究所に連れて来たんだろう……」

 ルイスは床に手をついて身体を起こし、その場に立ち上がった。

「研究所を見せたいのならどうして最初からそう言って一緒に来なかったの? 僕はひどい目に遭ったんだよ……言葉には言い表せないほど大変な目に……。それよりも、AJのことが心配だから僕はすぐに家に帰りたい」

 その発言を無視してローレンはルイスの右手首を掴んだ。
「黙って言う通りにしなさい。ベビーシッターを呼んであるからAJのことは心配ないわ」

 ルイスはまだふらふらしていたが、ローレンに手を引かれてついて行った。


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