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第二の圧政

女王は男を女に変えて自らが暴君となった

原作:The Second Tyranny

A Dark Fantasy of Revenge, Power, and a Mother's Betrayal.

by Yulia Yu. Sakurazawa

第1章 鋤の重み

大地は、ひどく吝嗇(りんしょく)だった。叩き上げられた真鍮のような空の下、ひび割れた粘土質の土は、その養分を、まるで恨み言でも言うかのように、ほんの少しずつしか明け渡そうとしなかった。この土地の一族の女たちにとって、一日は時間で測るものではなかった。どこまでも続く乾いた畑を、影がゆっくりと、苦痛に満ちた速度で這っていく、その長さで測るものだった。

カヤの手は、鋤が話す言葉を覚えていた。それはささくれと硬いタコで語られる、無骨な言葉だった。背中の筋肉の奥深くに巣食った、もう取れることのない鈍い痛み。彼女も、他の女たちと同じ、荷を運ぶ獣だった。その身体は国家の、男たちの、そして夫であるトレヴァーの所有物。鋤の重みは、ただの木と鉄の重さではなかった。それは彼女たちの人生そのものの重みであり、声に出せなかったすべての不正、押し殺したすべての叫び、そして生まれてすぐに「処分」された娘たちの、命の重みだった。

憎しみは、腹の中に収まった石だった。冷たく、滑らかな石。カヤはそれを、二十年かけて磨き上げてきた。それは、短絡的で熱い怒りではなかった。辛抱強く几帳面な地質学者の憎しみにも似て、幾重もの層を成していた。彼女は監督の男たちを見ていた。清潔な手をした、午後の時間を弄んで過ごす男たち。その笑い声は、乾いた熱気にあっという間に飲み込まれてしまう、脆い音だった。カヤは、彼らの残酷さをひとつひとつ記録していた。水桶が意地悪く遠ざけられること。一瞬の休息を咎める鞭の音。うねの間に立つ女を、その場で裸にするような、いやらしい視線。それらは日々の負債であり、カヤは几帳面な会計係だった。

事件が起きたのは、息も詰まるような午後の盛り、太陽の光が思考さえも白く漂白してしまい、ただ労働のリズムだけが身体を支配する、そんな時間帯だった。沈黙を破ったのは、シュガーだった。汗で額に張り付いた苺色の金髪。その顔は、他の誰とも同じように、疲れでこわばっていた。何が彼女をそうさせたのか、誰にもわからなかった。もしかしたら、記憶だったのかもしれない。こんな人生になる前の、いつかの感情の、幻の疼きだったのかもしれない。

彼女は、鋤から手を離した。

まるで長い眠りから覚めるかのように、ゆっくりと、爪先で立ち上がった。泥にまみれ、ひび割れた足の指が、地面が長い間打ちのめそうとしてきた優雅さを取り戻し、弧を描く。重労働で筋張った腕が、持ち上げられた。それは反抗的に天を突くのではなく、ふわりと浮かぶようだった。その両手は、濃く揺らめく空気を彫刻するように動く。彼女の身体は、その心が話すことを禁じられた言葉を、覚えていた。息をのむような一瞬、彼女は畑仕事をする女ではなかった。幻のそよ風に揺れる柳の若枝であり、肉体を得た音楽の切れ端だった。近くにいた何人かの女が、思わず息を止め、作業の手を止めた。恐ろしく、そして美しい光景だった。絞首台に咲いた、一輪の花。

その美しさは、十一秒続いた。カヤは、数えていた。

そこに、ゼノンがいた。シュガーの夫であり、トレヴァーの法務大臣。彼の動きには、自らの権威を一度たりとも疑ったことのない男特有の、残忍な効率性があった。怒鳴り声も、警告もなかった。静寂を破ったのは、乾いた音だった。骨が折れるような、鋭く、決定的な音。彼の平手が、シュガーの顔を打った音だった。彼女は叫び声ではなく、困惑に満ちた短い呼気とともに、崩れ落ちた。まるでその一撃が、肺から魂そのものを叩き出したかのようだった。

「ここは畑だ。娼婦の舞台じゃない」

ゼノンは、吐き捨てるように言った。彼は他の女たちを見なかった。その必要はなかった。見せしめは、群れ全体に対するものだったからだ。彼はシュガーの美しい髪を掴むと、彼女を引きずり、鋤のところまで連れて行った。血の滲む彼女の両手を、無理やり柄に握らせる。

「働け」

彼は、命じた。

女たちは、再び自分の畝に向き直った。ありえないほど優雅な瞬間は、終わった。消し去られた。しかし、カヤだけは、目を逸らさなかった。彼女はシュガーの震える肩を見ていた。切れた唇に滲み、乾いた大地へと滴り落ちる黒い血を見ていた。またひとつ、負債が増えた。カヤの腹の中の石は、さらに重く、さらに冷たくなった。

***

その夜、地下の貯蔵庫の空気は、ひんやりと、湿った土とじゃがいもの匂いで満たされていた。そこは彼女たちの秘密の教会であり、作戦司令室だった。一本の獣脂蝋燭の灯りを頼りに、アシンが、その顔に穏やかな集中力を浮かべ、コンフリーの葉を浸した湿布で、シュガーの腫れた頬をそっと拭っていた。シュガーは無言で、その瞳は虚ろだった。あの舞踏は、彼女の中から完全に追い払われていた。

「まるで家畜扱いだわ」カーラが、拳を握りしめて吐き捨てた。「家畜以下よ。男は自分の牛には、もっと価値を置くもの。できることなら、あいつらの井戸に毒を盛ってやりたい」

「そうすれば、腹を壊した男一人につき、私たち十人が殺されるだけよ」現実主義者のララージが言った。彼女は背の高い、厳格な顔つきの女で、世界を戦略的な問題の連続として捉えていた。「毒なんて、子供の空想だわ。私たちに必要なのは武器であって、かんしゃくじゃない」

カヤは、彼女たちに話させておいた。その怒りのざわめき、絶望の鋭い刃に、耳を傾けた。何年もの間、彼女たちはこうして集まり、同じ不可能な問題の周りを、炎に集まる蛾のように、言葉を巡らせてきた。しかし、今夜は違うと感じた。あまりにも無残に消し去られたシュガーの舞の残像が、空気を変えていた。それは、彼女たちが失ったものの垣間見せる一瞬だった。自由だけではない。美しさ、表現、魂の真髄そのものを。

「古い話がある」

やがてカヤが、他の者たちの声を断ち切るように言った。部屋は静まり返った。カヤが話す時、女たちは耳を傾けた。

「祖母がよく話してくれた物語。あいつらが古い物語を禁じる前の話よ。SK山の高みに住む女の話。魔女、あるいは神託をもたらす者。人々は彼女を、マーシャと呼んだ」

カーラが鼻を鳴らした。「おとぎ話じゃないか。魔女が私たちを救ってくれるとでも?」

「その物語によれば、彼女は地球の秘密を知っている」カヤは、まるでそこに言葉を読み取るかのように、揺れる蝋燭の炎を見つめながら続けた。「水のない場所に、水脈を見つけ出すことができる。そして……物事を『変える』ことができる。あるべき姿を、作り変えることができる、と」

重い沈黙が、貯蔵庫に満ちた。それは、大人が子供の魔法を信じるように求められた時の沈黙だった。しかし、それは同時に、絶望しきった者たちの沈黙でもあった。狂気と希望の境界線が、とうの昔に曖昧になってしまった者たちの。

「愚かな賭けだ」ララージが言ったが、その声にはいつもの確信がなかった。「山は険しい。もし誰かが出て行こうとして捕まったら……」彼女は言葉を終える必要はなかった。その罰が何であるか、全員が知っていた。

「私たちに、これ以上失うものがある?」新しい声が言った。マルコの妻、若いマリアだった。彼女は小柄で、砂色の髪をしていたが、その瞳には激しい炎が宿っていた。「この先も、あと二十年こんな生活を?背骨が折れるか、魂が腐り果てるまで?私が行く」

全員の視線が、彼女に注がれた。彼女は女たちの中で最も身が軽く、結婚前に麓の村で暮らしていた頃は、熟練した登山家だった。彼女の恐怖は、その怒りの妹のようなものだった。

カヤは立ち上がり、彼女の元へ歩み寄った。そして、タコのできた手を、マリアの肩に置いた。その感触は、慰めのものではなかった。任務を与える、司令官のそれだった。絶望的な任務に、最も信頼する兵士を送り出す、将軍の。鋤の重みは、何世代にもわたって彼女たちを地に縛り付けてきた。今夜、カヤは、新しい重みを動かし始めた。それは、彼女たちの、たったひとつだけ残された、揺らめく、ありえないほどの希望の重みだった。

第2章 頂の囁き

SK山は、愚か者を許容しなかった。花崗岩と氷でできた、空を掻きむしるようなギザギザの背骨。そこは、空気の薄い、捕食者のような沈黙に満ちた場所だった。男たちは、角を持つアイベックスを狩るために、あるいはその切り立った岩肌に己の気骨を試すために、そこへ向かった。そして、自らの伝説を補強するような物語を持って帰ってきた。女が一人でそこへ行くなどということは、禁じられているだけでなく、想像すらできないことだった。それは、存在の抹消にも等しい行為だった。

マリアは、月のない夜の闇に紛れて動いた。眠りこけている農地をすり抜ける、一人の幽霊。結婚生活という退屈な日々の下に長く埋もれていた、若い頃の技術が、秘密の言語のように彼女の身体に蘇ってきた。星を読んで方角を知る方法。崩れやすい瓦礫の上に、石を落とさずに足を置く方法。彼女の背負う荷物は軽かった。一本のロープ、水袋、そして硬くなったパンが一切れ。シスターフッドの女たちからの、ささやかな供物だ。しかし、その荷物の真の重みは、彼女が後にしてきたすべての女たちの、 全員の希望の重みだった。その重みが、彼女を上へ、上へと駆り立てた。

その旅路は、試練そのものだった。麓の斜面は、棘のある灌木の藪で、彼女の服や肌を引き裂き、腕に細かい赤い線の地図を描いた。高度が上がるにつれて、空気は鋭く、清浄になり、肺に突き刺さるナイフのようだった。彼女は、一度足を踏み外せば、静かに、そして永遠に墜落してしまうような、危険な岩棚を渡った。岩の窪みで眠り、身を刺すような寒さに身を縮めると、夢には姉妹たちの顔が現れた。その瞳は、懇願していた。彼女はただ山を登っているのではなかった。彼女たちの共有する、奈落の底から這い上がろうとしていたのだ。

三日目、彼女は雪線に到達した。ここから先の世界は、目を眩ませるような白と青のパレットに還元された。雪に反射する太陽は無慈悲で、風は生命を持つ生き物だった。彼女を岩から引き剥がそうとする、悪意に満ちた精霊。頂は、少しも近づいたようには見えなかった。無関心な空に突き刺さった、黒いガラスの破片。疑念が、忍び寄る霜のように冷たく、陰湿に、彼女の決意を蝕み始めた。マーシャの物語は、ここではひどく薄っぺらく、山の咆哮にかき消される子供の囁きのように感じられた。

彼女は、凍ったパンをかじりながら、狭い岩棚で休んでいた。その時、それを見た。人ではなかった。白い広がりの中に、揺らめく色彩――ありえないほどの、一点のオレンジ色。それは目印だった。この高度で育つはずのない、風に削られた節くれだった松の木に結びつけられた、小さな布切れ。希望が、鋭く、痛みを伴って、彼女の身体を駆け巡った。

彼女は、オレンジ色の布切れの跡を辿った。それらは彼女にとってのパンくずだった。疲労を超え、筋肉の悲鳴を超え、彼女をさらに高みへと導いた。その布が示す道は、論理的なものではなかった。通行不可能に見えるクレバスを抜け、本来ならピトンも、彼女が持たない技術も必要とするはずの、切り立った氷壁を登っていく。しかし、障害にぶつかるたび、彼女の指が必要とする場所に、ちょうどよく掴める場所があった。彼女のブーツを待っていたかのように、氷から削り出された足場があった。山は、もはや彼女と戦ってはいなかった。彼女を、導いていた。

彼女がマーシャを見つけたのは、頂上ではなかった。そのすぐ下、風を避けるように窪んだ、岩の椀の中だった。ここの空気は、不思議なほど静かで、暖かかった。マーシャは平らな石の上に胡坐をかき、マリアに背を向けて、眼下に広がる無限の峰々を、瞑想に耽るかのように眺めていた。彼女は、染めていない羊毛の簡素な服を身に着けていたが、その髪は、古い物語が語るとおり、燃えるようなオレンジ色だった。それは少年のように短く刈り込まれ、真っ白な雪を背景に、まるで燃えているかのように見えた。

マリアの心臓が、肋骨を打った。彼女は、必死の懇願の言葉を、練習してきていた。しかし今、この深い静寂の中で、言葉は石のように、無粋で、重々しく感じられた。彼女はしばらくの間立ち尽くし、息を整え、旅の重みが身体にのしかかるのを感じていた。

振り向くことなく、マーシャが口を開いた。その声は大きくはなかったが、静かな空気の中を、完璧な明瞭さで伝わってきた。それは若々しい声で、川の石のように滑らかで、穏やかだった。

「風が、疲れた足と、重い心の物語を運んできたわ」彼女は言った。「遠いところを、よく来たわね。マルコの妻、マリア」

自分の名前を、夫の名前までも口にされたことに、マリアは恐怖と畏怖の衝撃を受けた。彼女は雪の中に膝をつき、疲労が、ついに彼女を圧倒した。「私が……来ることを、ご存知で?」

マーシャは、その時、振り向いた。そしてマリアは、再び息をのんだ。物語は彼女を魔女だ、老婆だと言っていた。しかし、目の前の女は、二十五歳にも見えなかった。その顔は完璧なハート型で、肌はクリームのように滑らかで青白かった。その瞳は、雨の後の苔の色をしていた。古く、すべてを知っているかのような瞳。威圧的なところは何もなかったが、その静けさは、いかなる力の誇示よりも、人を圧倒した。

「山が教えてくれたの」マーchaは、まるで天気の話でもするかのように、こともなげに言った。「あなたの勇気を感じたのよ。それは、稀なこと。ほとんどの人間は、征服するために登る。あなたは、乞うために登ってきた」

マリアは、自分の声を取り戻した。言葉が、堰を切ったように溢れ出した。何年もの間、彼女が押し込めてきた、痛みと怒りの奔流だった。彼女は鋤のことを、シュガーの砕かれた顔のことを、大地に失われた娘たちのことを、そして男たちの、終わりなき、苛烈な圧政のことを語った。彼女は、頬に涙が凍りつくまで、泣きながら語った。

マーシャは、口を挟むことなく、耳を傾けた。その苔色の瞳は、一度もマリアの顔から離れなかった。彼女は同情の言葉も、慰めの言葉も、ひと言も口にしなかった。彼女は山そのもののようだった。一人の証人として、その表情は、読み取れなかった。

マリアが語り終え、その物語が尽きた時、深い沈黙が戻ってきた。聞こえるのは、頭上の峰々を渡る、か細く、高い風の囁きだけだった。

「あなたは私に、彼らの世界を『無かったこと』にしてほしいのね」マーシャは、述べた。それは、質問ではなかった。

「私たちは、正義を求めています」マリアは、掠れた声で囁いた。「生を、求めています」

マーシャは、一つの流れるような動きで、石から立ち上がった。彼女は小柄で、妖精のように華奢だったが、その空間を満たし、空の広大な虚無を押しとどめているかのように見えた。彼女は岩の椀の縁まで歩いていくと、下を見下ろした。男たちの世界ではなく、大地そのものを。まるで、岩の奥深くで脈打つ鼓動に、耳を澄ませているかのように。

「正義は、人間の言葉よ」彼女は、遠くを見つめるような声で言った。「地球が扱うのは、均衡。あるものが重くなりすぎ、うるさくなりすぎた時、それは正されなければならない。あなたたちの男たちは……ひどく、うるさくなったわね」

彼女はマリアの方へ向き直った。そして初めて、その穏やかな表情に、何かが揺らめいた。それは、憐れみだったのかもしれない。あるいは、まったく別の何かだったのかもしれない。

「山を下りなさい」マーシャは言った。「信頼できる女たちを集めて。月が骨の欠片ほどになった時、川沿いの『眠れる石』の場所で、私に会いなさい。そして、覚悟しておくように、と伝えなさい。地球に進路を変えるよう願う時、その後に続く洪水は、必ずしも、あなたたちが築いた土手の中に収まるとは限らないのだから」

第3章 笛の誘惑

「眠れる石」の場所は、川が秘密めいたカーブを描く、そんな場所だった。苔むした巨大な丸い石が、まるで眠りこける巨人たちのように、川の水に半分その身を浸している。古い魔法が宿る場所。日が暮れたら近づいてはいけない、と子供たちが言い聞かされる場所だった。ここで、骨の欠片のような細い月が空にかかる夜、カヤと、彼女が最も信頼する二十人の姉妹たちが集まっていた。彼女たちは神経質な鳥の群れのようだった。その囁き声は、川のせせらぎにかき消されていく。夜の冷気だけではない。崖っぷちに立っているような、冷たいスリルが、彼女たちの身体を震わせていた。

マーシャは、山に現れた時と同じように、音もなくやって来た。一瞬前まで、その空き地には誰もいなかった。次の瞬間には、彼女はそこにいた。一番大きな石のそばに立ち、その燃えるような髪が、闇の中で小さな松明のように揺れていた。彼女は鞄も、道具も、何も持っていなかった。ただ、人を不安にさせるほどの静けさを、その身にまとっているだけだった。

「地球が、耳を傾ける準備ができた」彼女の声は、川の音を縫うようにして、女たちの元へ届いた。「でも、あなたたちは黙っていなければ。あなたたちの怒りは、あまりにも大きな祈りとなって、すでに聞き届けられた。あとはただ、証人となりなさい」

彼女は、女たちを川から離れ、農地を縁取る、もつれた森の中へと導いた。彼女が選んだ道は、道と呼べるようなものではなかった。暗闇の中では、到底進めないはずのルート。しかし、不思議なことに、棘は彼女たちの足首を避けるように曲がり、低く垂れ下がった枝は、その顔に触れる寸前で持ち上がった。彼女たちは、自分たちのために道を開けていく世界の中を歩いていた。マーシャの身体から発せられているかのような、淡く、この世のものとは思えない光に、導かれて。

彼女は、切り立った岩壁の前で立ち止まった。一族の者たちが、行き止まりだと信じて、常に無視してきた森の一角だった。重く、厚いカーテンのように、蔦が石を覆っていた。マーシャは、力を込めるのではなく、軽く、探るような仕草で手を伸ばした。その指が、マリアには解読できない模様をなぞる。岩が軋む低い呻き声とともに、岩壁の一部が内側へと開き、暗く、ぽっかりと開いた口が現れた。洞窟だった。その吐息は冷たく、湿った深い土と、何か別のもの――古びた血か、忘れられた水のような、古代の金属の匂いがした。

「近くにいて」マーシャは命じ、暗闇の中へと足を踏み入れた。

女たちは、心臓を狂ったように打ち鳴らしながら、後に続いた。中の闇は絶対的で、重く、息が詰まるような毛布だった。しかし、目が慣れてくると、マーシャ自身が光であることがわかった。柔らかく、燐光を放つオーラが彼女の肌から発せられ、長く、踊るような影を落とし、道を照らしていた。洞窟は単純な空洞ではなく、長く、下へと続くトンネルの入り口だった。その壁は、湿気でぬるぬると滑った。

彼女たちは下へ、地球の腹の奥深くへと歩いて行った。空気は冷ややかになり、聞こえるのは、広大な地下空間に響き渡る、滴り落ちる水の音だけだった。やがて、トンネルは大きく、円形の洞窟へと開けた。その中央には、岩から染み出す泉によって満たされた、水の溜まりがあった。それは、彼女たちが知るような井戸ではなかった。人の手によって掘られたものではなく、自然にできた水盤だった。その水は、驚くほど透明な、エメラルドグリーン色をしていた。そして、あまりにも静かで、まるで凍りついているかのようだった。その縁には、血のように赤い紫陽花が咲いていた。その色は、薄暗がりの中で衝撃的なほど鮮やかで、その花びらは瑞々しく、ビロードのようだった。ここは、時の外側にある場所だった。

カヤは、その水盤を凝視した。それは生きている、呼吸する存在のように感じられた。これこそが源、マーシャが約束した魔法の、心臓部なのだ。

マーシャは、水盤の縁に立った。彼女は服の襞から、彼女の放つ淡い光にきらりと反射する、簡素な銀の笛を取り出した。彼女はそれを唇に当て、目を閉じ、長い間、ただ息をしていた。そして、彼女は吹き始めた。

最初の音は、聞こえるというよりは、感じるものだった。石に、水に、そして彼女たちの骨の髄にまで共鳴する、低い振動。それは、深く埋もれたものの音だった。ゆっくりと軋む岩の音、根の秘密の営み、水の辛抱強い記憶。それは、地球自身の子守唄だった。

***

その頃、一族の長であるトレヴァーは、自らの広間で、さらに多くの水を下流の村々から奪うための、新しい灌漑計画の地図を広げていた。大臣たち――シャクティ、マルコ、ゼノン――も一緒だった。土地の権利や、罰則について、議論を交わしている。空気は、彼らのパイプの煙と、権力の、古びて澱んだ匂いで満ちていた。

その時、トレヴァーは、それを聞いた。

最初は、音ではなかった。彼の思考の雑踏を切り裂く、一つの、純粋な音色。彼の心の静寂に走った、微かな震え。彼は頭を上げ、ペンが地図の上で止まった。「聞こえるか?」

ゼノンが、うなるように言った。「何がだ?隅でいびきをかいている、グレッグのじいさんのことか?」

しかし、マルコにも聞こえていた。彼は眉をひそめ、首を傾げた。その音は、どこからともなく、広間の中へと忍び寄ってくるようだった。甘美でありながら、奇妙で、抗いがたい権威を宿していた。それは、他者を支配する力についてではなく、まったく別の種類の力――絶対的で、個人的な力――について語っていた。彼が、求めていると自覚さえしていなかった、解放を約束していた。

彼は立ち上がり、ペンを落とした。ペンは床に落ちて音を立てたが、誰の耳にも届かなかった。大臣たちも、立ち上がろうとしていた。その顔には、困惑と、奇妙に口を半開きにした、渇望の表情が浮かんでいた。その音楽は、彼らを引っ張っていた。彼らの魂の最も深く、最も利己的な部分に結び付けられた、見えない糸。それは、退屈な統治の仕事の向こう側にある、何か「もっと」を、約束していた。

トレヴァーは、広間から歩み出た。その足は、彼の同意なしに動いていた。彼は夢遊病者のように、夢を追いかけて、宮殿の中を、石の回廊を、進んでいった。衛兵たちは、当惑した表情で彼を見たが、止めようとはしなかった。音楽は、彼ら全員を虜にしていた。一人、また一人と、そして次第に大きな流れとなって、一族の男たちは、カードゲームを、酒を、議論を、放棄した。彼らは家を、持ち場を、離れた。その瞳は、催眠術にかかったかのように、虚ろだった。彼らは、召喚されていたのだ。

***

洞窟の中では、音楽が変わっていた。マーシャの笛は今、勝利とエクスタシーの歌を歌っていた。それは舞い上がり、急降下する、熱狂的で、喜びに満ちたメロディだった。あらゆる欲望の成就を、約束していた。女たちは、息を殺して見守った。最初の姿が、トンネルの入り口に現れた。

トレヴァーだった。その顔は無表情で、その瞳は何も見ていなかった。彼の後ろには、大臣たちが続いた。そしてその後ろには、一族の男たちの、足を引きずるような行列が。彼らは、共有された、催眠的な目的を持って動いていた。その存在は、この神聖で、隠された場所において、冒涜そのものだった。しかし、彼らは女たちを見ていないようだった。その視線は、きらめく緑の水盤に、釘付けになっていた。

音楽は、最高潮に達した。一つの、突き刺すような、純粋な至福の音色。

トレヴァーは、水盤の縁まで歩いて行った。彼は、躊躇しなかった。まるで恋人の抱擁を受けるかのように、彼は水の中へと足を踏み入れ、その水面の下へと、身を沈めた。一人、また一人と、彼の男たちが後に続いた。静かに、待ち構えていた泉へと、なだれ込む身体の奔流。彼らはマーテルの水にその身を浸した。二度と同じ姿で戻ることはない、集団洗礼だった。

女たちは、マーシャの光に顔を照らされながら、見ていた。静かで、復讐心に燃える女神たちの輪。彼女たちは、自らの世界の、崩壊の瞬間を目撃していた。笛の最後の音色が、甘く、そして恐ろしく、空中に響き渡り、やがて、地球の奥深くの、滴り落ちる水の音だけが支配する、深い静寂の中へと、消えていった。

第4章 男というものの解体

それは、水のような感触ではなかった。冷たくもなく、温かくもない。まるで血液と同じ温度の、絹のように滑らかな液体が、何の抵抗もなく彼を包み込んだ。一瞬、トレヴァーの意識が音楽の霧の中から浮上し、純粋な、動物的なパニックが彼の内で燃え上がった。水の中だ。もがいて、空気を求めて水面へ戻らなければならない。しかし、手足は命令を聞かなかった。重く、どこか遠い、まるで他人のもののように感じられた。

そして、あの感覚が来た。それは、かつて老いた鼠が感じたような、官能的な痺れではなかった。深く、そして恐ろしい、解体の感覚だった。水はただ彼の周りにあるのではない。彼のにあるのだ。彼の血管を流れ、骨に染み込み、彼の存在そのものの糸を、解き始めた。彼の記憶、野心、怒り――それらすべてが、古いロープのように、その端からほつれていく。顔にある傷跡、子供の頃の戦いで得た、彼の権力への道を決定づけたあの印が、奇妙な、幻の熱を帯びて疼き始めた。

彼は、自分の身体を、まるで地図製作者が、敵意ある手によって地図を書き換えられるのを感じるかのように、感じていた。胸の硬い平面は柔らかくなり、肩と腕の密集した筋肉は溶け去り、より繊細で、華奢な骨格へと置き換えられていく。彼の喉仏、男性的権威のまさに柱であったそれが、滑らかで、優雅な線へと溶けていく。それは、静かで、血の流れない暴力だった。叫び声を上げる隙もないほど、完全な侵略だった。

彼は、自らの性器、男としてのアイデンティティの核が、縮み、後退し、見えざる彫刻家の手によって作り変えられていくのを、意識していた。その変化は、新しい服を着るような、付加的なものではなかった。減算的なものだった。彼は空洞にされ、解体され、彼を定義づけていた特徴が、システマティックに消去されていく。支配的な感情は痛みではなかった。喪失だった――当惑させるような、破滅的な、自己の喪失。

彼は必死に息を吸い込みながら、水面に顔を出した。しかし、彼の喉から出た音は、彼自身のものではなかった。それは高く、か細い叫び声、洞窟の静寂を掻きむしる、見知らぬ者の声だった。魅惑的な音楽は消え去り、その後に残ったのは、耳鳴りのような静けさと、彼の新しい現実の、恐ろしいほどの明瞭さだった。彼はもがいたが、その動きは不器用で、まとまりがなかった。自分の手――それは小さく、指の関節は目立たなくなり、指はより細くなっていた。彼は片手を、顔に持っていった。肌は柔らかく、慣れ親しんだ顎のざらつきは、消えていた。

彼は、新しく、そして短くなった足で、必死に足場を探しながら、水盤の縁へと這い寄った。彼は、弱々しく、そして異質な自分の身体を引きずり、水から上がった。彼は、冷たい石の床の上で、息を切らして横たわった。濡れた髪は、今や信じられないほど長く、そして重く、彼の首筋に張り付いていた。他の男たちも、彼の周りで水から上がってきていた。呆然とし、混乱した、自分たちが知らない姿へと生まれ変わった、生き物の群れ。シャクティは、今や柔らかく、丸みを帯びていた。ゼノンの力強い体格は、しなやかで、柳のようになっていた。彼らは、互いを、大きく、理解できないといった目で見つめ合った。彼らの共有する悪夢が、互いの姿に映し出されていた。

その時、トレヴァーは、彼女を見た。カヤ。

彼女は、数フィート離れた場所に、沈黙の姉妹たちを従えて立っていた。彼女は、勝ち誇ってはいなかった。その顔に勝利の表情も、勝ち誇った笑みもなかった。その表情は、強烈な、臨床的な観察者のそれだった。まるで、新しく発見された、潜在的に危険な標本を調べている学者のようだった。あからさまな感情の欠如は、彼女が口にしうるいかなる呪いの言葉よりも、恐ろしかった。彼女はもはや彼の所有物、彼がその精神をシステマティックに打ち砕こうとしてきた女ではなかった。彼女は、彼の捕獲者だった。彼らの世界のすべての力学が、彼が溺れ、生まれ変わる間に、逆転していたのだ。

彼は立とうとした。自らの生まれ持った権利である権威を、主張しようとした。

「カヤ」彼は口火を切ったが、その名前は息も絶え絶えの懇願のように響き、彼の新しい声帯は、彼を裏切った。「何を……何をした?」

カヤが一歩、前に出た。マーシャから発せられていた淡い光――彼女は現れた時と同じように、音もなく消え去ったようだった――はもうなく、今の唯一の光は、女たちが持つ松明の光だけだった。炎は長く、踊るような影を落とし、彼女たちの顔を、厳しく、神話的な仮面のように見せていた。

「間違いを、正しただけよ」カヤは言った。その声は穏やかで、平坦だった。それは、最終的で、覆すことのできない判決を言い渡す、裁判官の声だった。

彼は、その時、自分自身を、初めてまじまじと見た。胸の膨らみ、腰の緩やかな曲線、そして足の間に、紛れもなく「無い」という事実。その恐怖は、あまりにも深く、ほとんど非現実的だった。こんなことは、ありえない。これは熱に浮かされた夢だ。酒に盛られた毒が見せる、幻覚だ。彼は自分のベッドで目を覚ますだろう。そしてカヤがそこにいて、彼はこの悪夢の罰を、彼女に与えるだろう。

しかし、素肌の下の冷たい石は、本物だった。自分の身体の見慣れない重みは、本物だった。カヤの瞳に浮かぶ表情は、本物だった。

「これは妖術だ」彼は吐き捨てた。かつての毒を、その言葉に含ませようとしたが、その声はか細く、哀れに響くだけだった。「まやかしだ」

「まやかしじゃない」カヤの声は低くなり、洞窟の空気のように冷たくなった。「これは、清算よ。あなたたちは、一方の身体がもう一方より優れているという信念の上に、世界を築いた。一方の姿が支配する権利を持ち、もう一方は、ただ仕えるのみだと。私たちは、単純に……あなたたちに、劣った方の姿を与えただけ。その教訓を、あなたたちが身をもって学べるように」

彼女は、他の女たちの方へ向き直った。「連れてきて」

女たちが、一歩前に出た。鎖も、ロープもなかった。その必要はなかった。かつての男たちは、あまりにも呆然とし、自らの新しい身体という、存在論的な衝撃によって、あまりにも打ちのめされ、抵抗することができなかった。彼らは、迷子の羊のように追い立てられ、その素足が、濡れた石の上で、ぺたぺたと音を立てた。

カヤは、トレヴァーの前に立ち止まった。彼の上から、土と川の匂い、自由の匂いがした。彼女は彼を、その震える、裸の、そして取り返しがつかないほど女性的な姿を、見下ろした。

「あなたはもう、トレヴァーじゃない」彼女は、静かに言った。その言葉は、掘りたての墓にかけられる、最後の土くれのようだった。「トレヴァーは男だった。王だった。彼は、もういない。私たちは、この……『これ』に、新しい名前を見つけることになるわ」彼女は、軽蔑するように、彼自身の身体を指して、手を振った。「その生涯を、膝をついて過ごす生き物に、ふさわしい名前をね」

第5章 新しい名前、新しい鎖

カヤたちは自らを「トライアンファント」と呼ぶことを宣言した。(訳注:Triumphant、誇り高い勝利者という語感。)

トライアンファント体制の最初の朝焼けは、地平線を切り裂く、血のように赤いオレンジ色だった。それは新しい夜明けのようには感じられなかった。それは、下された判決のように感じられた。

かつての男たちは、洞窟から、慣れ親しんだ、しかし今や敵意に満ちた世界へと追い立てられた。道の石ころが、彼らの新しく敏感になった足の裏を切り裂く。かつては所有者の、考えなしの傲慢さで吸い込んでいた朝の空気は、今やその華奢な肺には薄く、鋭く感じられた。彼らが連れて行かれたのは宮殿ではなかった。かつて彼らが収穫高を計算し、家畜を競売にかけていた、あの、がらんとした共同の家畜小屋だった。今や、彼ら自身が、家畜だった。

彼らは、固く踏み締められた土間の上に、一列に立たされた。高い梁のある天井の下、裸で、震えながら、晒されている。板の隙間から差し込む光が、縞模様の烙印のように、彼らの身体を切り裂いていた。シスターフッドの女たちが、彼らの前に立っていた。もはや畑の、腰を曲げた物言わぬ姿ではなかった。裁判官たちの集会だった。彼女たちは、農具――大鎌、鍬、鎌――を手にしていた。それは労働の道具としてではなく、職権の象徴として。

カヤが、中央に立っていた。畑仕事のぼろ着の代わりに、簡素で、ゆったりとした灰色の布の服をまとっている。その質素な装いが、かえって彼女の権威を増幅させていた。彼女には、王冠も、王笏も、必要なかった。その力は、彼女の静けさの中に、その冷たく、几帳面な視線の重みの中に、あった。

「新しい世界には、新しい言葉が必要よ」カヤの声が、だだっ広い空間に響き渡った。「古い名前は、古い権力の腐臭を運んでくる。それは、私たちが治癒しなければならない病気だわ」

彼女の視線が、震える者たちの列を横切り、かつて夫であった者の上で、止まった。

「あなた」彼女は、飾り気のない一本の指を突きつけた。「あなたは、トレヴァーだった。力の名前。恐れられるべき名前。それはもう、あなたには似合わない」

彼女は、からかうような仕草で、首を傾げた。

「あなたの新しい姿は……可愛らしいわね。しなやかで。もっと小さな名前が必要だわ。命令するのではなく、囁くような名前が。あなたは、ティアよ」

その名前は、平手打ちのように、彼の身に落ちた。ティア。それは、薄っぺらで、装飾的な響き。統治者の名ではなく、ペットの名前だった。トレヴァー――彼はまだ、自分のことをトレヴァーだと思っていた――は、純粋な、しかし無力な怒りの波を感じた。彼は口を開き、抗議の声を、自分の名前を、彼女に向かって吼え返そうとした。しかし、その音は喉の奥で死んだ。彼は、カヤの瞳に浮かぶ冷たい約束を見た。彼女の脇に立つ女たちの手に握られた、鎌を見た。彼は、口を閉じた。彼の新しい鎖の、最初の輪が、鍛えられた瞬間だった。

カヤは、列を移動しながら、その声に、鮮明で、決定的な響きを乗せて、一人一人の男から、そのアイデンティティを剥ぎ取っていった。戦争大臣であった、がっしりとしたずんぐりむっくりのシャクティは、シアとなった。柔らかく、ささやくような音。ハンサムな金髪の農業大臣マルコは、ミア。冷酷な法務大臣ゼノンは、ジーナ。新しい名前は、一つ一つが、意図的な縮小行為だった。かつての彼らという大理石の彫像を、小石だけが残るまで削り取っていく作業。名前が付け替えられるたびに、絶望の震えが列を走った。彼らは、システマティックに抹消されていた。

それが終わると、カヤはカーラに合図した。「服を」

カーラと他の二人の女が、衣服の山を持って前に出た。それは、トライアンファントたちが着ているような、実用的な服ではなかった。薄く、淡いピンク色の生地でできた、簡素な袖なしのガウン。あまりにも生気がなく、侮辱的な色だった。その生地は粗く、彼らの肌を擦り、快適さのためではなく、屈辱のためにデザインされていた。

「これがおまえたちの制服になる」カヤは宣言した。「従順の色。服従の色。これ以外のものを着ることは許されない」

服を着せられると、インフラディグ――トライアンファントたちが彼らのために選んだ名前、鋤の下の者たちという意味――は、最初の食事を与えられた。それは、粗末な木の椀に盛られた、水っぽく、薄い粥だった。かつて彼らが、女たちを働かせ続けるための最低限の必要物として、分け与えていた、あの味気ない代物。ティアの胃は、むかついた。彼女は、かつての生活の、ローストされた肉を、スパイスの効いたワインを、上等なパンを、思い出していた。彼女は粥を見て、そしてカヤを見た。

「これは、豚の餌だ」彼女の新しい声は、怒りと嫌悪で震えていた。

カヤは歩み寄り、ティアの椀の中を覗き込んだ。「いいえ」彼女は、考え深げに言った。「豚には、残飯をやっていたわ。豚の方が、ましなものを食べていた。これは、あなたが十年間、私に食べさせていたものよ」彼女は、間を置いた。「食べなさい。さもなければ、空腹のまま働くことになるわ」

ティアのプライドが、腹の底で疼く空腹と戦った。震える手で、彼女は椀を唇まで持ち上げ、ざらざらした液体を、無理やり喉に流し込んだ。それは、灰と、恥の味がした。彼女の周りで、他のインフラディグたちも同じことをしていた。その動きは、憤懣でこわばっていた。

朝の儀式の最後の行為は、新しい法律の布告だった。新しい司令官であるララージが、巻物を広げ、それを読み上げた。インフラディグたちの財産所有権は廃止された。図書館や学問の府への立ち入りは禁じられた。話しかけられない限り、話してはならない。彼らの新しい仕事場は、かつて彼らが遠くから監督していた場所――最も深い鉱山と、最も岩だらけで、最も過酷な畑。女たちが罰として送られていた場所だった。

そして、彼らの運命を決定づける、最後の法律が読み上げられた。

「インフラディグは、トライアンファント国家の所有物である」ララージの声は、鉄が石を打つような、決定的な響きで鳴り渡った。「その身体、その労働力、そして彼らが産むであろういかなる子供も、国家に帰属し、女王カヤの指導の下、評議会が適切と判断するように、使用されるものとする」

ティアは、カヤを見つめた。彼女の新しい現実の、完全で、打ちのめすような重みが、ついに彼女の上にのしかかってきた。所有物。モノ。子を産むための道具。かつて彼はカヤを自分の所有物にしていた。そして、その見返りに、彼女は彼を自分の所有物にしたのだ。それは、正義ではなかった。それは、完璧な、恐ろしい対称性だった。

カヤは、彼女の視線を受け止めた。彼女は、ティアの瞳に浮かぶ絶望を、怒りを、そして芽生え始めた理解を見た。その朝初めてカヤの顔に表情のひらめきがよぎった。それは勝利感ではなかった。満足感でもなかった。それは、もっと冷たい、もっとずっと恐ろしい何かだった。自分が熱し意のままに曲げたばかりの金属片を検分し、自分が鍛えたばかりの新しい鎖の強度を評価している鍛冶屋の、無関心で冷静な表情だった。

第6章 契約の細則

その夜、宮殿の大広間は、何十年もの間、知られることのなかった音で満たされていた。女たちの、何の制約もない、高らかな笑い声。トライアンファントたちは、かつての主人たちが食べていたローストされた肉や上等なパンを楽しみ、勝利の味をその舌で味わっていた。彼女たちはやり遂げたのだ。世界は彼女たちのものとなり、彼女たちの姿に作り変えられ、何世代にもわたる彼女たちの痛みによって買い取られたのだ。インフラディグたちは家畜小屋に閉じ込められ、その新しい現実は冬の霜のように彼らの心に染み込み始めていた。

カヤは、長いテーブルの上座、かつてトレヴァーのものであった樫の木の彫刻が施された椅子に座っていた。彼女は、自分の姉妹たち――彼女の将軍であり、大臣である者たち――が、祝宴をあげているのを見ていた。アシンは微笑んでいた。その心配そうな目元の皺を和らげる、稀な心からの笑顔だった。カーラは深く杯をあおり、その笑い声は誰よりも大きかった。ララージは几帳面に肉の塊を切り分け、その顔には厳格な満足感が浮かんでいた。一瞬、カヤは、それを感じることを自分に許した。深く骨の髄まで染み渡るような達成感を。帳簿は合った。負債は支払われたのだ。

彼女が空気の変化を感じたのは、この勝利の瞬間だった。夜風とは何の関係もない、突然の深い冷気。広間の楽しげな騒音は、まるで大きな影が彼らの上に落ちてきたかのようにその輝きを失い、松明の光は後ずさりしたように見えた。

マーシャが広間のアーチ型の入り口に立っていた。

彼女は、洞窟以来、姿を見せていなかった。誰も、彼女が入ってくるのを見ていなかった。彼女はただそこにいた。渦巻く祝宴の中の静止点。その燃えるような髪だけが、突然の冷気の中で唯一の暖かい色だった。笑い声が死んだ。女たちは畏怖と、新たに芽生えた棘のような不安が入り混じった顔で振り向いた。

「女王は、祝宴の最中ね」マーシャの、静かだが、沈黙を切り裂く声が言った。「戦いは終わったと思っているのかしら?」

カヤは椅子から立ち上がった。その不安感は冷たい恐怖へと固まっていった。「仕事は終わった」彼女は、落ち着いた声で言った。「あなたが手段を与えてくれた。私たちはそれを使った」

「私は鍵を渡しただけ」マーシャは、広間へと足を踏み入れながら訂正した。その素足は、石の床の上で何の音も立てなかった。「それが、どの錠前のために設計されたものかは言わなかったわね。あなたたちは、まだ半分しか回していない」

彼女はテーブルまで歩いていくと、銀のゴブレットを手に取り、その細い指で、それを弄んだ。「『再生の泉』は深い魔法の場所。贈り物はしないわ。取引をするの。それが、あなたたちの男たちに施した変化は強力なもの。暴力的なもの。地球はそのような不均衡を長くは好まない」

「何を言っている?」ララージが、手を今や腰に差している短剣の柄に無意識に滑らせながら、問い詰めた。

「私が言っているのは」マーシャはゴブレットを、ことり、と静かな音を立てて置きながら言った。「その変化は借り物だということ。それは『あるべき姿』という肉体に刻まれた傷であり、自然は常にそれを癒そうとする。その魔法はかさぶたよ。そして、それは剥がれ落ちる」

さざ波のような囁きが、広間を駆け抜けた。

カヤの両手は、身体の脇で拳を握りしめていた。「説明して」

「あなたたちが見ている新しい姿は、一時的なもの」マーシャは、その苔色の瞳を、カヤに固定して言った。「彼らの身体は、それに抗うでしょう。彼らの血は、その古い形を覚えている。一年後か、五年後か、一世代後か、魔法は薄れる。かさぶたは剥がれ落ちる。そして、彼らは元に戻る。彼らは再び男になるのよ」

それに続いた沈黙は、絶対的だった。信じられないという思いと、恐怖の、打ちのめすような重み。彼女たちの皿の上のローストされた肉は、突然、口の中で灰に変わったようだった。

「彼らは元に戻る」マーシャは、感情の欠片もない声で続けた。「でも彼らは、元の男には戻らないられない。彼らは、このことを覚えている男たちになる。自分が女であったこと、奴隷であったことを、覚えている男たち。彼らは、トレヴァーの圧政が、夏の夕立のように思えるほど、怒りに満ちているでしょう。彼らは、ただ自分たちの世界を再建するだけではない。あなたたちの世界の土に、塩をまき、二度と何も育たないようにするでしょう」

アシンは青ざめ、その手を喉に当てていた。「では……すべて、無駄だったというの?」彼女は、囁いた。

「いいえ」マーシャは言った。「言ったでしょう、これは取引だと。その魔法は、維持できる。永続的なものにできるわ。でも、それには支払いが必要。燃料が必要なの」

「何の燃料?」カヤの声は、刃物のようだった。

マーシャは視線を床に落とした。まるで、石を、地球を透かして、インフラディグたちが暗闇の中で身を寄せ合っている家畜小屋を見ているかのようだった。

「魔法は、強力なものを糧とする」彼女は言った。「そして、人間の魂が発する、生の感情ほど、強力なものは、そうないわ。『泉』は、定期的な貢物を要求する。絶望の十分の一税を。屈辱の供物を。思い出された恥辱のうずきを」

彼女は顔を上げ、その瞳が再びカヤのものと絡み合った。「毎月、満月の夜に、あなたたちは、その逆転を再確認しなければならない。彼らのプライドを剥ぎ取り、彼らの新しい現実を直視させ、彼らの服従を絶対的なものにする儀式を執り行わなければならない。あなたたちは、彼らの絶望を収穫し、それを源へと還流させるのよ。彼らの苦しみが、その魔法をあるべき場所に繋ぎ止める錨となる」

契約の細則。恐ろしい、口にされなかった、契約書の末尾にある条項。

カヤはマーシャを凝視し、その心は揺れ動いていた。これは、すべてを変える。彼女たちの復讐は、もはや一つの満足のいく正義の行為ではなかった。それは継続的で几帳面なプロセスでなければならなくなった。彼女たちの残酷さは、もはや怒りから生まれた選択ではなかった。それは、厳粛な必要性となり、彼女たちの新しい社会の礎石となり、彼女たちの生存そのものの、まさに土台となったのだ。

「では、私たちは、永遠に彼らの看守でいろと?」アシンは、震える声で尋ねた。「彼らを苦しめ続ける者で?」

マーシャは、小さくほとんど気づかれないほどの肩をすくめる仕草をした。「あなたたちは、彼らの世界が『無かったこと』になるのを望んだ。その代わりに何を築くかは、特定しなかったわね」

彼女は踵を返し歩き去ろうとした。その存在は現れた時と同じように音もなく遠ざかっていく。

「待って」カヤが呼び止めた。「なぜ?なぜこんなことを?私たちに、牢獄への鍵を渡したというの?」

マーシャは、アーチ型の入り口で立ち止まった。その姿は夜を背景に黒いシルエットとなっていた。彼女は肩越しに振り返った。そして薄暗い光の中で、カヤは彼女の瞳に古く不可解な何かがきらめくのを見た気がした。それは親切でも残酷でもない、好奇心だった。

「退屈だったのよ」マーシャは言った。「あなたたちが何をするか、見たかった」

そして、彼女は消えた。

大広間は再び静寂に包まれた。しかし、楽しげな雰囲気は毒されていた。饗宴は食べかけのまま放置されていた。女たちは互いを見つめ、そして、彼女たちの新しい女王を見た。カヤは硬直して立っていた。マーシャの啓示の重みが肩にのしかかっていた。彼女はただの解放者ではなかった。ただの復讐者でもなかった。彼女は、暗くそして必要な信仰の大神官にさせられたのだ。その信徒たちの苦しみを、彼女は注意深く永遠に育んでいかなければならない。戦いは終わっていなかった。それは、始まったばかりだった。


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