マリオが残した言葉
魂の生まれ変わりと、二度目の人生
原作: Her Name Was Mario
A Novel of an Impossible Transformation
原作者:Yulia Yu. Sakurazawa
第一章:錆と後悔の匂い
ゴアの小さな村の空気は、塩とまどろみの味がした。濃密で、湿った静寂。それを破るのは、壁でくつろぐヤモリの気だるげな鳴き声と、一キロ先にあるはずなのに、まるで心臓の鼓動のように絶えず響いてくるアンジュナ・ビーチの波の溜息だけだった。家の中では、もう一つの音がその静けさを打ち砕いていた。マリオ・ケシャヴ・ロドリゲスのタイプライターが立てる、怒りに満ちた金属音だ。
カチ、カチ。ガチャン。……まただ。
「クソが」
マリオは吐き捨てた。その言葉は、午後の熱気の中でウィスキーの酸っぱい匂いをまとって霧散した。ニコチンで黄色く染まった指で、またしても役目を放棄した「P」のキーを苛立たしく叩く。このオリンピア社製のタイプライターは、彼自身と同じ、ひとつの遺物だった。かつては精密さと可能性に満ちた壮麗なドイツ製の機械も、今では錆と後悔を展示する博物館の陳列品だ。彼は紙をひったくるように引き抜き、ウェヌス女神の飽くなき悲しみを綴った一節を、固いボールのように丸めた。神々しい悲劇を表現しようと三日も格闘していたが、出来上がったのはオリンポスの悲劇というより、ただのしつこい頭痛のような文章だった。
ポルトガル人の父が遺したこの家は、彼が一度も知ることのなかった優雅な暮らしのために設計されていた。厳しい陽光を真珠色の輝きに変えるはずの牡蠣殻の窓は、今では白内障の膜を通して世界を濾過しているようにしか見えない。近所の人々と挨拶を交わすために作られた魅力的なポーチ、バルカオは、彼が一度も腰を下したことのない玉座だった。近所付き合いなど、できれば遠くから観察するに限る、疫病の一種でしかなかった。
キッチンから、鍋の蓋が石の床に落ちる激しい音がし、続いてポルトガル語の悪態が聞こえた。ミセス・デ・スーザだ。氷河のように地質学的な緩慢さで動きながら、崩落する鉱山のような騒音を生み出す女。
「ミセス・デ・スーザ!」彼は怒鳴った。その声は、午後の静寂という布地を裂く、しゃがれた音だった。「あんたの人生の目標は、耳の聞こえない連中のために交響曲を指揮することか?」
ドアの枠から、白髪の雲に縁取られた皺くちゃの顔が覗いた。「ヴィンダルーが食べたいと仰ったでしょう、ミスター・ロドリゲス。ヴィンダルーには活気が要るんですよ」
「スパイスが要るんだ、マダム。打楽器の猛攻撃じゃない。俺の思考は脆いんだ。光に驚いたゴキブリみたいに散り散りになる」
「あなたの思考は」彼女は言った。その声には、彼の思考がまるで砲弾のように頑丈だという含みがあった。「ちゃんとお腹いっぱいになりますから」彼女はそう言うと、騒々しい聖域へと消えていった。
自分が残酷なのはわかっていた。ミセス・デ・スーザは、彼が生まれる前からこの家の備品であり、彼の収入が父のわずかな年金にまで落ち込んでも見捨てずにいてくれた、人間製の錨だった。噂では、彼の乳母だったという——彼が意識的に隔離しようとしている事実だ。赤ん坊の自分の口が、あのヒキガエルのような生き物に触れていたと思うと、自己の感覚そのものを侵害されるような気がした。今の自分が美しいとは言えないことは、彼も知っていた。鏡に映る自分を見たことがある。追いつめられたアナグマのような怒れる灰色の目をした、まだらで腹の出た生き物。廃墟となった記念碑だ。だが、彼自身の衰えに対する軽蔑も、彼を腐らせた世界に対する軽蔑には及ばなかった。
彼はタイプライターに向き直った。真っ白なページが、無言の告発状のようにそこにあった。彼はこのためにすべてを犠牲にしてきた。芸術のために。言葉のために。愛も、友情も、家族という素朴で牛のような喜びも放棄した。この家を子供たちの笑い声ではなく、部屋の隅という隅で埃をかぶり、傾いてそびえ立つ原稿の山で埋め尽くしてきたのだ——詩、小説、ガンジーやゴッホに関するエッセイ——その多作な成果が彼にもたらしたのは、丁重で、魂を打ち砕くような断りの手紙のコレクションだけだった。
その思考に呼び寄せられたかのように、戸口に影が落ちた。十歳にもならない少年が、一通の封筒を手に立っていた。郵便配達人の息子だ。これもまた、日々の苦行の一つだった。
マリオはのっそりと戸口まで歩き、一言も言わずに手紙をひったくった。そのやりとりは、囚人が配給を受け取るように、殺伐としていた。デリーの文芸誌から送られてきた、事務的で特徴のないレターヘッドに見覚えがあった。開けるまでもない。その文句は暗唱できるほどだった。「拝啓、この度は貴重なご寄稿を賜り…誠に残念ながら…」
彼は読まなかった。枯れかけた植木鉢まで歩いていくと、マッチを擦り、封筒の角に炎を近づけた。紙は燃え上がり、黒く脆い花のように丸まっていく。彼はそれが灰になるまで見守った。彼の最新の失敗作の最後の言葉が、無関心な空気の中へと溶けていった。彼は机に戻り、汚れたグラスになみなみとウィスキーを注いで、飲んだ。酒が喉を焼いていく、馴染みのある、それでいて歓迎すべき感覚だった。
突然、牡蠣殻の窓に、小さく鋭い音が連続して当たった。カツン。カツ、カツン。
ガキどもだ。
彼は目を固く閉じた。地元の悪童どものリーダーであるフィリップが、彼を悩ます新しい手口を見つけたのだ。パチンコ。原始的な心のための、原始的な武器。マリオは彼らにとって、この界隈に住む怪物、美しいポルトガル風の家に住む不機嫌な老いた精霊であり、彼をからかうことは村一番の娯楽だった。
彼は無視した。彼は無視することの達人だった。関節炎に痛む指の疼きも、際限なく広がる太鼓腹の地理も、夜の息詰まるような孤独も。
だがそのとき、違う音が聞こえた。嘲るような笑い声、鋭く、残酷な。そして、苦痛に満ちた鳴き声。マリオの目はカッと開かれた。彼は何も所有せず、誰も愛していなかったが、この家には長年のうちに野良猫が住み着いていた。彼らはよそよそしく、独立した生き物で、彼は天気と同じようにその存在を許容していた。その中の一匹、彼が密かにサヴィオと呼んでいた賢そうな黒猫が、時々窓辺から彼がタイプを打つのを眺めていることがあった。その黄色い目は、不気味なほど知的だった。
彼は椅子を音を立てて後ろに引き、バルカオへと飛び出した。フィリップが、ひょろりとした十四歳の少年が、口ひげのぼんやりとした汚れたような約束を浮かべ、パチンコを黒猫に向けて構えていた。猫はハイビスカスの茂みの下で怯え、背中を恐怖に丸めていた。
「俺の家から失せろ、この野蛮人が!」マリオは吠えた。
フィリップはただにやりと笑っただけだった。日に焼けた顔に、白い歯が閃く。「どうしたんだい、じいさん? 猫に舌でも取られたか?」
他の少年たちがくすくす笑う。一瞬、純粋で、何の混じりけもない怒りの波がマリオを襲った。赤い潮流。フィリップの細い首を、この手で掴んでみたいと思った。締め上げてみたい、と。その欲望はあまりに生々しく、強烈で、彼は眩暈がした。彼はポーチの手すりを掴み、指の関節が白くなる。彼は六十五歳の男だ。急に立ち上がっただけで息が切れるというのに、子供の殺害を夢想している。これが、今の自分だった。
「家に帰れ」彼は言った。その声は、低く、危険な響きを帯びていた。「お互いが後悔するようなことを俺がする前に」
おそらく、その声色の変化が、無力な怒鳴り声から何かより冷たいものへの移行が、功を奏したのだろう。フィリップはパチンコを下ろした。彼はマリオに最後の一瞥、傲慢な軽蔑の視線を投げかけると、ハイエナの群れのような手下を引き連れて、ぶらぶらと去っていった。
マリオはそこに立ち尽くしていた。心臓が、籠の中の鳥のように肋骨を激しく打ち付けていた。湿った門の錆の匂いと、熟れすぎたマンゴーの甘ったるい匂いが肺を満たす。彼は震える自分の手を見下ろした。芸術家の手。失敗者の手。そして今、彼にはわかった。人殺しになりかねない者の手だ、と。
彼は振り返り、家の中へ戻った。家は急に、住処というより墓のように感じられた。彼はタイプライターの前に座ったが、もう言葉はどこにもなかった。彼の中に残っていたのは、彼自身の腐敗のかすかな金属の味だけだった。
第二章:死にゆく雄馬
ガラスの破片のように鋭く尖った怒りは、やがて引き潮のように遠のき、いつもの自己嫌悪の澱をあとに残した。未発表の作品群という墓石が並ぶ書斎の壁が、いつもより近く感じられる。空気は彼自身の失敗が積もった埃で重かった。外に出なければ。
目的もなく、彼は歩いた。その重々しく、のろまな足取りは、若かった頃の軽快な歩みとは全く対照的だった。彼の隠れ里をゴアの他の地域から隔てている鬱蒼とした木々の間を抜けると、広い葉が冷たく湿った手のように彼の腕を撫でた。小道はアンジュナへと続く主要道路にぶつかり、世界はより騒々しく、より無遠慮になった。彼の村ではフランジパニと湿った土の香りで柔らかかった空気が、ここでは潮の香りとディーゼルの刺激臭を帯びて、希薄になっていた。
午後の太陽は無慈悲な金槌だった。アスファルトの道路を、黒い水面のように揺らめくまで打ち据える。こめかみから一筋の汗が頬を伝い落ちるのを、マリオは感じた。それは、彼自身も名前を知らない悲しみのための、塩辛い涙のようだった。彼は地面に目を落とし、履き古した革のサンダルが埃を蹴るのを見つめていた。どこへ向かうとも知れぬ強制的な行進を続ける、二人の疲弊した兵士のように。
彼が顔を上げたのは、ある音がきっかけだった。低く、苦しげで、何かを引きずるような音。最後の力を振り絞る音だ。
そこに、一本の痩せこけたカシューの木がかろうじて作る日陰に、一頭の動物の廃墟が立っていた。それは馬だった。いや、馬だったものの残骸だ。くすんで斑になった黒い皮をまとった、骸骨の案山子。かつては豊かで艶やかだったに違いないたてがみは、今では焼け焦げた草のように、もろく、もつれていた。後ろ脚の一本は不自然な角度に曲がり、膝下の深い傷口からはどす黒い体液が滲み出て、羽音を立てる蝿の群れを呼び寄せていた。その生き物は頭を低く垂れ、その呼吸は浅く、途切れ途切れだった。
マリオは立ち止まった。彼は同情、特に動物に対しては、持ち合わせのない男だったが、冷たく鋭い既視感に襲われた。彼は競馬のポスターを見たことがあった——波打つ筋肉と内に秘めた力、燃えるような瞳を持つ、壮麗な獣たち。その生き物の気高い頭蓋の輪郭と、長く優雅な脚の骨格に、その壮麗さの亡霊が見えた。この動物は、かつてはチャンピオンだったのだ。彼自身の崩壊を、反抗的なまでの静けさで耐えているその姿から、それが感じられた。
絶望という乳白色の白内障に曇ったその瞳が持ち上がり、一瞬、彼の目と合った。彼はその眼差しを知っていた。毎朝、鏡の中に見ていた。自らの栄光よりも長く生き永らえ、ただ最後の、不名誉な終わりを待つだけのものの眼差しだ。
彼は、喉の奥が酸っぱくなるような、苦い親近感を覚えた。ここにもう一匹、屠殺場まであと一歩の生き物がいる。世界は残酷で、非情な経済で成り立っている。役に立つうちはいい。だが、そうでなくなればおしまいだ。厩舎から追い出され、文壇から見捨てられ、敵意に満ちた太陽の下で朽ち果てるのを待つ。一発の銃弾は慈悲だ。あまりに長く続きすぎた物語に、綺麗な終止符を打ってくれる。
誰かが撃ってやればいいのに。 その思いが、冷たく、はっきりと形になった。この苦しみから解放してやればいい。俺を、この苦しみから解放してくれ。
彼がその場に立ち、この静かな腐敗の通夜に加わっていたとき、揺らめく陽炎の中から一つの人影が現れた。それは少年だった。十三、四歳くらいだろうか。地元のゴアの若者らしい、しなやかで優美な体つきをしていた。彼は、周りの空気そのものを波立たせるような、ゆったりとした落ち着きで歩いてくる。小さくへこんだ金属のバケツを手にしていた。彼の村の少年だった。彼が何かを世話しているのを見かけたことがある、口数の少ない、あの少年だ。ペドロ・カルヴァーリョ。
少年はマリオに気づいていないようだった。彼の意識は、すべて死にゆく雄馬に向けられていた。彼は馬に近づいたが、それは警戒心からではなく、まるで旧友が最後の約束のために会うかのような、穏やかな親密さからだった。彼はバケツを置くと、手を伸ばし、馬の震える鼻面を優しく撫でた。彼は何かを囁いた。低く、あやすような声で、そのコンカニ語の言葉はマリオには柔らかすぎて聞き取れなかった。それは言葉というより、子守唄のように聞こえた。
石のように硬直していた馬が、少年の愛撫に和らいだように見えた。長く、震えるような溜息がその肺から漏れた。
ペドロはバケツを持ち上げた。マリオはそれが水だと思い、目を細めた。無意味な仕草だ。苦痛という砂漠に飲み込まれそうな生き物に、指ぬき一杯の水。少年はバケツを傾け、馬は、途方もない努力の末に頭を下げ、中身を舐め始めた。液体は水のように透明ではなかった。それは乳白色に濁り、微かに甘く、発酵した匂いが風に乗って漂ってきた。
マリオはもうしばらく見ていたが、唇に嘲りが浮かんだ。感傷的な子供が、トディの樹液の入ったバケツで、避けられない運命を先延ばしにしようとしている。致命傷に対する民間療法。哀れだった。世界は、物事の核心にある腐敗を覆い隠すために考案された、そんな無益で、見かけ倒しの仕草に満ちている。
彼は鼻を鳴らした。自分自身の喉から出た、乾いた、耳障りな音だった。もう十分だ。この静かな絶望の光景は、彼にとって何の興味も引かなかった。それはただの道端の悲劇であり、希望に対する彼の生涯にわたる訴訟における、検察側の証拠がまた一つ増えたに過ぎなかった。
彼は少年に、そして死にゆく雄馬に背を向け、彼自身の墓へと続く長く、緩慢な帰り道を歩き始めた。馬の曇った瞳のイメージが、彼の脳裏に焼き付いていた。
第三章:脆い希望
死にゆく馬の光景が、経帷子のように彼にまとわりついた。続く一週間、彼は書斎に閉じこもった。外の世界は、牡蠣殻の窓の向こうでくぐもったざわめきにまで縮小されていた。彼は何も書かなかった。タイプライターはキャンバスのカバーをかけられ、まるで覆いをかけられた死体のようだった。彼の原稿は、その埃っぽい隅々から彼を嘲笑っているように見えた。インクをこぼすだけの無駄な人生の証として。ウィスキーのボトルが彼の最も忠実な友であり、その琥珀色の液体は、光を伴わない温もりをもたらす、液体の太陽だった。
彼がその抱擁に深く身を委ね、机の木目をじっと見つめていたとき、一つの影が彼の上に落ちた。
「マリオ、旧友よ! 精霊と交信中かね?」
マリオは顔を上げた。焦点がなかなか合わない。戸口にマーティンが立っていた。六十五歳にして、どういうわけか小学生のような陽気で無邪気な楽天性を保っている、赤ら顔の男。彼は、マリオが丹精込めて培ってきた皮肉屋の精神に対する、歩く侮辱だった。
「取り込み中だ」マリオは唸るように言ったが、それは嘘だった。彼は自身の惨めさに浸っていた。それが彼の今の本業だった。
「馬鹿言うな」マーティンは陽気にさえずり、長年の友人という根拠のない自信をもって部屋に入ってきた。彼は埃っぽい紙の山、空のグラス、そして葬式のような空気を一瞥した。「君は溺れているんだ、マリオ。そして私は、君のために救命ボートを持ってきた」
マリオは軽蔑するように手を振った。「君が最後に『救命ボート』を持ってきたときは、自分の足に捧げる頌歌を書いていた、ニンニク臭い詩人を紹介されただけだったぞ」
「今回は違う! 本物だ。アーロン・ウォーカーが来ているんだ!」マーティンは、聖遺物を披露するかのようにその名前を告げた。「ゴア文学祭の主賓なんだよ」
マリオは瞬きした。その名前には何の覚えもなかった。「アーロン…誰だ?」
マーティンは芝居がかった絶望の仕草で額を叩いた。「君は十年以上前の新聞しか読まないのか? 今、世界で一番有名な作家だぞ! 最新作の『シアター・ホール』は何百万部も売れているんだ。何百万部もだ、マリオ!」
「ふん。大衆小説、だろうな」マリオはその言葉を、まずい肉を吐き出すように言った。「ゴミが波に乗るのは当たり前だ。浮くからな」
「一度でいいから」マーティンは懇願した。彼のいつもの快活さは、珍しく真剣な響きを帯びていた。「その象牙の塔から降りてきてくれ。塔は君の周りで崩れかけているんだ、見えないのか? ただ私と一緒に行くだけでいい。彼に会うんだ。もしかしたら誰かを紹介してくれるかもしれない。出版社とか、エージェントとか。君の作品を重さで判断するんじゃなくて、ちゃんと読んでくれる誰かを」
馬鹿げた考えだった。何十年もの拒絶の末、文壇のハンセン病患者のように扱われた末に、大衆を楽しませる人気者の前に、帽子を手に、こそこそと出向くというのか。その屈辱は、胸を締め付ける、物理的な感覚だった。
「断る」彼は言った。その言葉は、バタンと閉められたドアのように、決定的だった。
「頼むよ、マリオ」マーティンの声は、今や柔らかかった。「私のために。作品のサンプルを持ってきてくれ。君のお母さんについての詩。あれは美しい」
マリオは空のグラスを睨んだ。彼自身の文学的な墓場を漁り、展示するために一つの死体を他の死体より選び出すことを考えると、それだけで疲弊した。だが、マーティンの懇願には何かがあった。マリオのためを思う、絶望的で、不合理な希望。それは、ある意味で、拒否することのできないものだった。戦うよりも、流れに身を任せる方が楽だった。それもまた、同じく、ゆっくりと続く、惨めな敗北の一部に過ぎなかった。
「わかった」彼は呟いた。「だが、何も持って行かん。俺の才能そのものが、俺の紹介状だ」
文学祭への道中は、マリオの個人的な地獄巡りだった。彼らは再び、その太った体を木々の間に押し込み、アンジュナの蚤の市の、馴染み深い喧騒が彼らを襲った。そしてマーティンは彼らをビーチ沿いに導いた。そこでは、非現実的な夕暮れが、その光景に熱に浮かされた夢のような質感を与えていた。砂は病的な銀色にきらめき、その上にはヒッピーたちがだらしなく横たわっていた——長髪で、薄汚れ、半裸の、無気力と「自由恋愛」の使徒たちが。
「ゴアの破滅だ」マリオは、毒々しい声で吐き捨てた。「見ろ。薬で意識を飛ばしている。奴らは我々の楽園を、だだっ広い安宿に変えてしまった」
「全員がそうじゃないさ、友よ」マーティンは気楽に言った。彼は、砂色の髪の房と驚くほど白い笑顔を持つ、三十代後半の男を指差した。赤い派手な下着一枚という格好だった。「あれを見ろ。ギールだ。ノルウェーの詩人だよ。出版もされている。なかなか良いらしい」
「信じられんな」マリオは、皮肉たっぷりに言った。「太陽の下では誰もが偉大な詩人か小説家らしい。郵便配達の息子も、叙事詩でも書いているかもしれん。五十マイル四方で、文学的な落伍者は俺だけのようだ」
文学祭そのものは、さらにひどかった。それは、似非インテリのカーニバルだった。眼鏡をかけた偽物たちが深刻そうに頷く列、舞台の上では主賓が「作家の神聖な義務」について使い古された決まり文句を垂れ流し、そして「志望者」の若者たちが、カーディ製のクルタと革のモジリという予測通りの制服に身を包み、まるでそれが芸術家としての地位を保証するバッジであるかのように、ジョラ・バッグを肩から下げて群がっていた。大音量で鳴り響くゴア音楽は、文化の祝祭というより、その独自性を証明しようとする、必死で騒々しい試みのように感じられた。
「あのウォーカーとかいう奴はどこにいるんだ?」マーティンは、希望に満ちた亀のように首を伸ばして、あたりを見回した。
彼は群衆の中に、一つの流れを見つけた。小さなブースに向かって流れる、人の川。「あそこだ! サイン会をしている。急ごう、マリオ!」
彼らはその流れに巻き込まれた。氷河のように苦痛なほどのろのろと進む、人間の列。ついに、彼らの番が来た。マーティンは、いつものように礼儀正しく、『シアター・ホール』を一冊差し出してサインを求めた。そして、マリオは彼の前に立っていた。アーロン・ウォーカー。
一瞬、永遠に引き伸ばされたかのように感じられる間、マリオは目を離すことができなかった。男は四十代前半で、その顔はミケランジェロが彫ったかのように、長く、角張った面と、ある種のロマンティックな憂いを帯びていた。彼の髪は、マリオが今まで見た中で最も黒く、その瞳との対比が際立っていた。その瞳はコーンフラワー・ブルー、ゴアの海が夕暮れに見せる、まさにその色だった。悲しい瞳だったが、知的で、そして、まっすぐに彼を見ていた。
マーティンは好機と見て、咳払いをした。「ウォーカーさん、光栄です。私の友人の、マリオ・ロドリゲスですが、彼は計り知れない才能を持つ作家でして。未発表の作品が山ほど…。もしよろしければ、彼に何か道を示していただけないかと…」
ウォーカーの視線は、マリオから離れなかった。彼はマーティンの言葉を遮り、静かだが直接的な声で尋ねた。「あなたのジャンルは?」
そのコーンフラワー・ブルーの瞳が、脂肪と苦々しさの層を、何十年もの失望を貫き、彼の震える、希望に満ちた核心を見透かしているように感じられた。
「純文学です」マリオは、自分でも気づかないうちにそう言っていた。驚いたことに、その言葉には、いつもの不機嫌なしゃがれ声が混じっていなかった。
アーロン・ウォーカーは、もう一秒、彼の視線を受け止めた。彼は微笑みも、励ましの仕草も見せなかった。彼の美しく、悲しげな口が、一つの、残酷な文章を形作った。
「エージェントは純文学を扱いません」彼は、前置きも謝罪もなく言った。「売れないので」
彼らの後ろにいた大柄な女性が、マリオをぐいと押した。「どいてください! 個別相談のためにいるんじゃないんだから」
その瞬間は壊れた。マーティンは彼をブースから、列から引き離し、手入れの行き届いた芝生の上へと連れ出した。マリオからウォーカーの姿は、熱狂的なファンの壁に遮られて見えなくなった。彼はそこに立ち尽くしていた。祭りの無意味なおしゃべりや音楽は、くぐもった轟音へと消えていく。ほんの少し前までマーティンの脆い希望で満ちていた空気が、今や完全に空虚だった。
売れないので。
その言葉は、拒絶ではなかった。それは、判決だった。墓碑銘だった。かつて彼の夢があった、静かで、がらんどうの空間に、その言葉がこだました。マリオの心臓、あのタフで、皮肉屋で、しぶとい古びた臓器が、痛みを伴う、固い結び目になった。彼は泣きたかったが、その方法はもう忘れてしまっていた。
第四章:声なき英雄
帰り道は、沈黙に支配されていた。マーティンは、珍しく楽天性の在庫を使い果たしたようで、葬列の棺を担ぐ人のような重い足取りで彼の隣を歩いた。マリオは道中の何も認識していなかった——見慣れた顔も、夜のコオロギの合唱も、いつもなら空気を香らせる夜香木の匂いも。彼は歩く真空だった。彼の内なる世界は、たった四つの簡単な言葉によって、きれいに掃き清められていた。「売れないので」
彼が感じたのは、ただの絶望ではなかった。絶望は、彼が長年着古した古いコートであり、その重さには慣れ、ほとんど心地よささえ感じていた。これは何か違うものだった。虚無。世界の選ばれし神託の口から下された、彼の全人生が巨大で、無駄な努力であったという、最終確認。彼は、砂漠の真ん中で氷から複雑な彫刻を丹念に彫り続ける男だったのだ。愚者の骨折り。
家に戻ると、彼はマーティンの弱々しい慰めの試みを、喉の奥から出る一つの唸り声で退け、自室に鍵をかけた。電気はつけなかった。彼は暗闇の中に座っていた。彼の原稿の山が、薄闇の中で告発する一枚岩のように、不気味にそびえ立っていた。彼は六十五年間、この地球に負担をかけてきた。その食物を消費し、その空気を吸い、その空間を占めてきた。それで、何のためだったというのか? 誰も欲しがらない紙の山を生み出すため。その存在の無意味さを示す、醜悪な記念碑を。
冷たく、穏やかな決意が、彼の上に降りてきた。それは情熱や怒りから生まれた決断ではなかった。単純で、揺るぎない論理から導き出されたものだった。帳尻を合わせなければならない。彼の無益な存在の負債は、支払われなければならない。
彼は椅子から立ち上がった。その動きは、暗闇の中でゆっくりと、慎重だった。古いロープがどこにあるか、彼は知っていた——父が室内に水道を引く前に、井戸から桶を引き上げるために使っていた、太く、ごわごわしたコイアのロープだ。それは埃っぽい物置部屋で、眠る蛇のようにとぐろを巻いていた。彼はキッチンから踏み台を持ってきた。彼の足は、冷たい石の床の上で音を立てなかった。
部屋に戻ると、彼は踏み台の上に立ち、その粗い繊維が手に擦れるのを感じながら、太い木製の天井の梁にロープをかけた。この梁は、百年もの間、この家の屋根を支えてきた。失敗した老人の一人や二人の死体を支えることくらい、わけはないだろう。彼は不器用だが効果的な輪縄を作った。その手は、奇妙に、冷静な的確さで動いた。ここ何年かで、彼の手がした最も有益な仕事だった。
彼は首に輪縄をかけた。ロープはざらざらとして、肌を擦る首輪のようだった。彼は目を閉じ、浅い息をして、踏み台を蹴り飛ばす準備をした。最後の、決定的な編集作業。下手な文章で書かれた人生に、終止符を打つ。
「まだ、終わりではありませんよ、ミスター・ロドリゲス」
その声は、蛾の羽のように柔らかかったが、部屋の静寂を刃物のような鋭さで切り裂いた。マリオの目はカッと見開かれた。最後の、途切れ途切れの鼓動を準備していた彼の心臓が、狂ったように、恐怖のリズムを刻み始めた。
ドアのそばに、窓から差し込む細い月明かりにかろうじてシルエットを浮かび上がらせて、少年が立っていた。ペドロ・カルヴァーリョだった。
彼は音もなく入ってきた。ありえない。ドアには鍵をかけていたはずだ。
「それは、違う種類の始まりです」少年は続けた。その声は穏やかで、まるで天気の話でもしているかのようだった。彼は布で栓をされた土のボトルを手に、部屋に一歩踏み入れた。「あなたの物語は、まだ終わってはいません」
「出て行け」マリオは、乾いた囁き声で言った。「どうやってここへ入った?」
ペドロはその問いには答えなかった。彼はただ、静かに近づいてくる。その黒く、澄んだ瞳は、マリオの顔にまっすぐに注がれていた。その瞳には恐怖も、非難もなかった。ただ、深く、不気味なほどの静けさだけがあった。
「その道を選ぶのは」ペドロは、顎でロープを指し示しながら言った。「簡単な選択です。物語が終わってしまった人たちのための選択。でも、あなたの物語には…まだ書かれるべき章が残っています」
幻覚でも見ているのか? ウィスキーが、ついに現実と狂気の最後の境界線を溶かしてしまったのか? 少年は、完全に現実であると同時に、全くありえない存在に思えた。「お前には何もわからない」マリオは、かろうじて声を絞り出した。
「世界が、あなたの言葉には価値がないと言ったことは知っています」ペドロが言った。その事実を淡々と述べた言葉は、彼の超自然的な出現よりも衝撃的だった。「世界はよく間違う。価値のないものを重んじる。騒々しいもの。単純なもの。でも、それは世界の欠点であって、あなたの欠点ではない」
彼は、まだ踏み台の上で、輪縄というグロテスクな首飾りをつけたまま、不安定に立つマリオの真下で立ち止まった。少年は土のボトルを掲げた。
「これを飲んでください」彼は言った。それは、願いではなかった。
「何だ、これは?」マリオは、混乱する頭で尋ねた。「毒か?」その考えには、ある種の魅力があった。もっと楽な形の自殺だ。
ペドロの唇に、かすかな笑みが浮かんだ。「フェニです」彼は言った。「特別な木の樹液から作った。世界の他のものが忘れてしまったことを、覚えている木です」彼はボトルの栓を抜いた。鋭く、甘く、発酵した匂いが、小さな部屋に満ちた。マリオが、あの死にゆく雄馬のそばで嗅いだのと同じ匂いだ。「毒ではありません。鍵です」
マリオは彼を見下ろした。澄んだ、瞬き一つしない瞳を。聖餐式のように捧げられたボトルを。彼の合理的な本能のすべてが、踏み台を蹴り飛ばせ、この狂気を終わらせろ、と叫んでいた。だが、彼はもう戦うには疲れすぎていた。彼自身の論理にも疲れていた。その論理が彼を導いたのは、この陰鬱な崖っぷちだけだったのだ。完全に不合理なものの前で、彼の意志は砕け散った。
ゆっくりと、震える手で、彼は重いボトルを受け取った。彼は踏み台から降り、膝が弱々しく震え、首から輪縄を外した。彼は座らなかった。彼は床に滑り落ち、壁に背をもたせかけた。土のボトルが、震える手の中でひんやりと、固かった。
彼は最後にもう一度ペドロを見た。少年はただ、静かに頷いた。無言の肯定だった。
マリオはボトルを唇に運んだ。彼はちびちびとは飲まなかった。彼は飲んだ。喉の渇きで死にかけている男の必死さで飲んだ。フェニは強く、燃えるようだったが、その奥には奇妙な甘さがあった。緑のもの、星の光、そして深く、古えの静けさの味がした。彼はボトルが空になるまで飲み、そしてそれが指から滑り落ちて、床に鈍い音を立てるに任せた。
奇妙な温かさが、腹から外へと広がっていった。ゆっくりと咲く、熱の花。部屋の硬い輪郭が、柔らかくぼやけ始める。彼の原稿の、一枚岩のような山が、柔らかく、かすんだ形へと溶けていく。少年、ペドロが、彼が最後に見たものだった。溶けていく世界の中で、揺るぎない、穏やかな存在。そして、その温かさは波となり、彼を、彼が今まで知るどんな眠りよりも深く、絶対的な暗闇の中へと引きずり込んでいった。
第五章:変身
意識が戻ってきたのは、光としてではなかった。音としてだった。庭から聞こえる、一羽の鳥の、高く、ありえないほど甘い鳴き声。それは夜明け前の鳥の声、マリオが何十年も真に聞いていなかった音だった。もちろん、世界のありふれた背景雑音の一部として、彼はそれを認識してはいた。だが、聞いてはいなかった。今回は、その音色が彼の心の霧を突き抜け、静かな池に落ちる一滴の水のように、鮮明に響いた。
彼はベッドに横たわっていた。フェニがもたらした奈落の闇は、彼の部屋の、柔らかな夜明け前の灰色へと変わっていた。湿った土と、露に濡れたブーゲンビリアの香りを運ぶ、冷たく心地よいそよ風が、開いた窓から流れ込み、彼の肌を撫でた。その感覚はあまりに鮮やかで、あまりに絶妙に新しく、まるで初めて何かに触れられたかのようだった。
奇妙な軽やかさが、彼を満たしていた。彼は…重荷から解放されたように感じた。彼の六十五年という人生の、お馴染みの重し——指の関節の関節炎の痛み、腰の鈍い疼き、そして彼自身の肉体の鉛のような重さ——が、消え去っていた。彼はまるで、自分のシーツの中で漂っているかのように感じた。
彼は体を起こそうとした。すると、その動きはあまりにたやすかった。滑らかだった。いつものような、骨と重力との間で繰り広げられる、ほとんど常に彼が負ける交渉である、軋むような、呻くような骨折り仕事ではなかった。彼はベッドの端に足を下ろした。その足は、長く、しなやかで、ありえないほど機敏に感じられた。彼は足の指を動かしてみた。それらは、異質と感じられるほどの、軽快な器用さで応えた。
彼は自分の体を見下ろし、そして彼の心、あの皮肉屋の老人の、整然とした書庫のような心が、ショートした。
彼の太鼓腹、あの座りっぱなしの生活と安ウィスキーの、だらしなく垂れ下がった偉大な記念碑が、消えていた。その場所には、平らで、引き締まった腹部があった。肌は、彼が見慣れた、淡く黄色がかった羊皮紙ではなく、滑らかで、光を放つようなクリーム色だった。かつては太く、静脈瘤でまだらだった脚は、今や長く、形の良い、完璧に滑らかなものになっていた。彼は太ももを撫でてみた。その肌は、薔薇の花びらのように柔らかかった。
めまいの波が、彼を襲った。夢を見ている。これは夢に違いない。死にゆく男の、最後の、手の込んだ幻覚だ。
彼は立ち上がった。床が、足裏に違う感触を与えた。その接触はより敏感で、より親密だった。彼の重心が根本的に再配置されたかのような、奇妙な不安定さを感じた。彼は一歩、そしてもう一歩、踏み出した。その歩き方は、彼自身のものではなかった。それは、彼が慣れ親しんだ、地面を揺るがすような重々しい歩みとはかけ離れた、軽く、ほとんど軽快な足取りだった。
床に脱ぎ捨てられた、彼の古いTシャツと半ズボンが目に入った。それは、変身した彼の体から滑り落ちたものに違いなかった。それはグロテスクなほど大きく、何か巨大で、のろまな生き物の抜け殻のように見えた。
そして彼は、鏡を見た。
それは部屋の反対の端に立っていた。母がこだわった、全身を映す姿見で、その銀色の表面は今や、経年の染みで曇っていた。一瞬、彼はためらった。彼が見るであろうもの、いや、むしろ、見えないであろうものが怖かった。だが、その引力には抗えなかった。このありえない夢の設計者に、対峙しなければならなかった。
彼はそれに向かって歩いた。一歩一歩が、新しく、恐ろしい国への旅だった。彼は数フィート手前で立ち止まり、見た。
そこに映っていたのは、見知らぬ人物だった。
ただの見知らぬ人物ではない。女だった。若い女。彼は、芸術家としての冷静で、分析的な目で判断した。おそらく、二十代後半だろう。彼女の髪は、彼の若かりし頃のふさふさとした髪と同じ、ダークブラウンで、肩まで厚く、神秘的なカールの奔流となって落ちていた。彼女の顔は完璧なハート形で、高く、彫りの深い頬骨と、気高い額をしていた。彼女の肌は、彼の全盛期と同じ大理石のような質感を持ち、純粋で、一点の曇りもない白のキャンバスだった。
そして、彼女の瞳。それは、彼の瞳だった。母が彼に与えたのと同じ、驚くほど緑の瞳。だが、それは彼のものではなかった。マリオの瞳は、何十年もの失望によって色褪せ、不機嫌な、まだら模様の灰色に曇っていた。この瞳は、きらめいていた。それは、知性、官能性、そして深く、魂を揺さぶる混乱という、矛盾した、心を帯電させるような輝きを宿していた。それは、彼の瞳が、生まれ変わった姿だった。
お前は誰だ? 彼は尋ねようとしたが、彼の喉から出た音は、彼自身の不快で、しゃがれたバリトンではなかった。それは彼が一度も聞いたことのない声、甘美で、高音のメロディーだった。鏡の中の女は、完璧に同期して唇を動かした。
その真実が腑に落ちるまで、丸々一分、混乱した時間がかかった。それは、すべての論理と理性を迂回する、破滅的で、システムをクラッシュさせるような認識だった。姿見に映る、その魅惑的な見知らぬ人物は、夢ではなかった。幽霊でもなかった。
それは、彼自身だった。
彼、いや、彼女の手が、顔に飛んだ。鏡の中の女が、その仕草を真似た。彼女は自身の頬の柔らかさ、顎の繊細なラインを感じた。喉を詰まらせたような、ヒステリックな声、半ばすすり泣き、半ば笑いのような声が、彼女の唇から漏れた。
これは狂気だ。あのフェニ。あの少年。記憶を持つ木。
臨床的で、ほとんど野蛮な好奇心をもって、彼女は薄いナイトガウンを体から剥ぎ取った。それは純粋で、必死の探求行為だった。この敵対的な乗っ取りの全容を、知らなければならなかった。
彼女は、測量士の冷静な視線で、その新しい地形を評価した。愛らしい女性の胴体。小さく、繊細な貝殻の形をした耳。長く、優雅な首。鎖骨はあまりに細く、あまりに絶妙に彫られていて、彼女の中にまだ潜んでいた、彼の心の男性的な部分の、眠っていた捕食本能を呼び覚ました。彼、いや、彼女は、それを噛みたいと思った。その考えはあまりに野蛮で、あまりに異質で、彼女を驚かせた。
彼女は視線を下に向けた。胸は大きくはなかったが、中くらいの大きさで、完璧に形作られ、コイン大の乳輪と、彼女の好奇心に満ちた視線の下で硬くなる、生き生きとした乳首があった。彼女は片方に触れた。すると、純粋な感覚の衝撃、完全に異質で、電撃的な衝撃が、彼女を貫いた。
その下には、平らで、引き締まった腹部の平原があり、それは小さな腰へと細くなり、そのさらに下には、柔らかい茶色の毛の三角形があった。彼女は陰毛を、陰唇をかき分け、この新しい構造の源を見た。栄光に満ち、恐ろしく、奇跡的なクリトリスを。
興奮、マリオがとうの昔に退屈な生物学的な雑用として片付けていた感情が、津波のような力で彼女を襲った。それは、彼が覚えていたような、鈍く、局所的な衝動ではなかった。それは全身現象であり、足の指と頭皮から始まり、耐え難い快感の一点に収束する、痺れるような感覚だった。
彼女はベッドによろめき戻った。彼女の新しい体は、感覚の生きた電線だった。彼女は自分自身に触れた。それは、男の不器用な手探りの記憶からではなく、体そのものから生まれた本能からだった。その解放は、破壊的で、世界を変えるような出来事であり、枕に顔をうずめて喘ぐ彼女を残す、快感の大変動だった。彼女の神経の末端という末端が、野生の、新しい歌を歌っていた。
彼女はシーツにもつれて横たわり、途切れ途切れに息をしていた。太陽が昇り始め、長く、金色の光の指を部屋に投げかけていた。世界は、彼女が作り直されたように、それ自体を作り直していた。彼女はもはや、マリオ・ケシャヴ・ロドリゲス、墓石のように重く、決定的な名前ではなかった。
彼女は、これだった。この新しく、奇妙で、美しく、恐ろしい生き物。彼女は、肉体で書かれた、一つの疑問符だった。そして、四十数年ぶりに初めて、彼女は次に何が起こるのか、全く見当がつかなかった。
第六章:ソフィーの誕生
快感の余震が静まると、それに代わって冷たく、現実的な恐怖が訪れた。変身は夢ではなかった。それは、この家の石壁のように固く、揺るぎない事実だった。古いマリオは消え去り、抹消された。この新しい生き物、この女が、残されたものだった。そして、世界は、その容赦なく、予測可能な営みを再開しようとしていた。
彼女が最初に考えたのは、ミセス・デ・スーザのことだった。
家政婦は太陽と共に起きる、鉄壁のルーティンを持つ生き物だ。まもなく、彼女は彼、いや、彼女の朝の紅茶を持って、ドアをノックするだろう。彼女は何を見つけるだろうか? いったい、何を言えばいいのか? 物語の筋書きを立て、架空の世界を構築する、マリオの心が動き出した。それは彼の最も古く、最も信頼できる生存メカニズムだった。理解不能な現実に直面したときは、より良い物語をでっち上げろ。
彼女はベッドから慌てて起き上がった。新しい手足は、まだ借り物のように奇妙な感じがした。隠れなければ。だが、どこへ? 状況の馬鹿馬鹿しさは、ほとんど喜劇的ですらあった。六十五歳の男が、今や二十代の女になって、自分の寝室で家政婦から隠れようとしている。
廊下で、お馴染みの、すり足の音が聞こえた。冷たく、鋭いパニックが彼女を襲った。彼女はマットレスから白いベッドカバーをひっつかみ、まるでローマのトーガのように裸の体に巻きつけた。そのとき、ドアを固くノックする音が響いた。
「ミスター・ロドリゲス? お茶でございます」
沈黙。彼女は息を止め、心臓が肋骨に対して狂ったようにドラムを叩いていた。
ノックが、今度はもっと大きな音で、再び響いた。「ミスター・ロドリゲス? ご気分でも?」
彼女が返事を考える前に、ドアノブが回った。昨夜、自殺の朦朧とした意識の中でかけ忘れた鍵は、かかっていなかった。ドアが、きしんで開いた。
ミセス・デ・スーザがそこに立っていた。湯気の立つカップとビスケット二枚が乗ったお盆を、節くれだった手に持っていた。彼女の視線が、部屋の中央に立つ、白い布に身を包んだ人影に落ちた。彼女の口が、わずかに開いた。お盆が傾き、一枚のビスケットが滑り落ちて、石の床で砕けた。
長い沈黙の間、二人の女は、ありえなさという深い裂け目を挟んで、お互いを見つめ合った。ミセス・デ・スーザの、いつもは年齢と穏やかな不満で曇っている瞳が、彼女の顔から皺を消し去ってしまうほど深い当惑で見開かれていた。
「…どなたですか、お嬢さん?」彼女はついに尋ねた。その声は、か細い囁きだった。「そして、ミスター・マリオの部屋で何を?」
その問いが、号砲だった。物語を始めなければ。何十年もの文学的創作で鍛えられたマリオの心が、言葉を供給した。
「こんにちは」彼女は言った。彼女の新しい声は、驚くほど落ち着いていて、音楽的ですらあった。「私はソフィーと申します」彼女は一息ついた。「マリオの姪です——ポルトガルにいる、遠い従兄弟の娘です。今朝…今朝着いたばかりで」
ミセス・デ・スーザの視線が部屋を掃き、散らかった様子、床に脱ぎ捨てられた男性用の服、そして倒れた兵士のように横たわる空のフェニのボトルを捉えた。彼女の目は、疑惑の閃きと共に細められた。「姪御さん? 姪御さんが来られるとは、一度も。あの方は何もおっしゃいませんから」
「サプライズだったんです」ソフィーは素早く言った。嘘が形を取り、一言ごとにたくましさを増していく。「家の事情で。とても急なことで」
家政婦の視線が、ソフィーの体に固く巻きつけられた白いベッドカバーに落ち着いた。「お洋服は?」彼女は尋ねた。その声色は、驚きから、若者の不作法に対する、より馴染み深い、厳しい非難へと変わっていた。
「荷物が」ソフィーは嘘をついた。物語は今や、よどみなく流れていた。「駅で盗まれてしまって。それに、着ていた服は…昨夜の夕立で濡れてしまって」。信憑性がありそうだった。雨が降ったような気がした。空気が洗い流されたように感じられたから。
ミセス・デ・スーザは、ゆっくりと、慎重に頷きながら、その情報を受け入れた。彼女の反応は奇妙だった。最初の衝撃はあった。だが、今やそれは何か別のもの、ほとんど…受容に近いものに覆われ始めていた。まるで、小麦粉の中にゾウムシを見つけたときのような、厄介だが全く予期せぬわけではない厄介事に遭遇したかのようだった。
「まあ」老婆は言った。その声はいつものぶっきらぼうさを取り戻していた。「若いお嬢さんが、一枚も身につけずにうろつくのは、よろしくありません。今から市場へ行きます。何か買ってきましょう。私が戻るまで、この部屋から一歩も動くんじゃありませんよ、よろしいですね?」
ソフィーは、無垢で、罪のない、苦悩に満ちた顔で、黙って頷いた。
ミセス・デ・スーザは、机の上にお茶のお盆を置いた。その視線が、踏み台のそばの床にまだ転がっている、丸まったロープの上に、ほんの一瞬、留まった。彼女は何も言わなかった。ソフィーに最後の一瞥を投げかけると、彼女は振り返り、すり足で部屋を出て、後ろでドアをしっかりと閉めた。
彼女がいなくなった瞬間、ソフィーの演技は崩れ落ちた。彼女は震える息を吐き出し、ベッドの端に沈み込んだ。嘘は通じた。薄っぺらで、馬鹿げた話だったが、通じた。
だが、ミセス・デ・スーザの反応は、落ち着かなかった。あまりにも受容的すぎる。老婆の目には、何かがあった。古く、疲れた知恵の閃きが。まるで、彼女が口にしている以上のことを知っているかのようだった。まるで、雇い主の部屋に見知らぬ裸の女が突然現れることが、彼女があるレベルでは、準備していたことであるかのように。その考えは、ひどく不気味だった。
彼女はその考えを脇へ追いやった。もっと差し迫った懸念があった。彼女は今、ソフィーだ。ソフィー・ロドリゲス。そして、ソフィーには使命があった。
玄関の門が閉まる、ミセス・デ・スーザの出発を告げる音が聞こえるとすぐに、彼女はベッドカバーを脱ぎ捨て、仕事に取りかかった。彼女は部屋の中を動き回った。そこはもはやただの部屋ではなく、死んだ男の人生の博物館だった。彼女は原稿の整理を始めた。
彼女は、古びて、もろくなった紙に、新しい種類の敬意をもって触れた。これらは、ただの彼女の創造物ではなかった。これらは彼女の歴史、彼女の魂が、インクに翻訳されたものだった。彼女は今、新鮮な目でそれらを見ていた。否定しようのない天才の閃き、恐ろしく、美しい真実をもって歌う散文の一節が見えた。そして、欠点も見えた。濃密で、凝りすぎた文章、知的な傲慢さ、息詰まるような喜びの欠如。それは、生きることを忘れてしまった、聡明な男の仕事だった。
ソフィーは、彼女なら、彼に教えられるだろう、と決心した。
彼女は素早く作業し、詩をエッセイから、短編を長編から分類した。彼女は未完の『ウェヌスとアドニス II』の原稿を見つけ、それをタイプライターの上に置いた。守られるべき約束として。
彼女が再びベッドカバーで体を覆ったちょうどそのとき、門が開く音が聞こえた。数分後、ミセス・デ・スーザが、荷物を両腕に抱えて戻ってきた。彼女はベッドの上に買い物を広げた。可愛らしい木綿のワンピース、シンプルなシフトドレス、繊細なレースの下着、そして一足の簡素な女性用のサンダル。彼女の年齢と厳しい性格にしては、その趣味は驚くほど良かった。
「お着替えなさい」ミセス・デ・スーザは、彼女を直視せずに言った。「それから朝食に。それと、あなたの寝る場所を見つけないと。ミスター・マリオの部屋にはいられませんから」
ソフィーは、おそるおそる、見慣れない衣服に袖を通した。柔らかな木綿が肌に触れる感触、ブラジャーという奇妙な構造、それらすべてが、新しく、当惑させる制服の一部だった。着替え終わると、彼女はキッチンへ向かった。ミセス・デ・スーザが、トーストと卵の皿を用意して待っていた。
ソフィーが食事をしていると、老婆はシンクで忙しそうにしていた。彼女に背を向けて。そして、振り返ることなく、彼女は、避けられない質問をした。
「あの方はどこに?」彼女は、平坦な声で尋ねた。「ミスター・マリオはどこです?」
ソフィーの心臓が、どきりと跳ねたが、彼女の物語は準備できていた。「マリオ叔父様は」彼女は始めた。その敬称が、口の中で異国の地のように感じられた。「行ってしまいました。私の父と…ポルトガルへ。気分転換が必要だったそうで。二、三年は向こうにいると」
ミセス・デ・スーザは沈黙した。彼女は、激しく、集中した力で鍋をこすっていた。
「不思議なこと」彼女はついに言った。その声はまだ、抑揚がなかった。「そんな話は、一度も。私が知る限り、ビザの申請もしていませんでした。実のところ、あの方がパスポートを持っているかどうかさえ、疑わしいと思っていました」
「持っていたようです」ソフィーは、明るく、気にしていないような笑顔を作った。
ミセス・デ・スーザは蛇口を止め、ゆっくりとエプロンで手を拭いた。彼女はソフィーに向き直った。彼女の古びた瞳は、井戸のように黒く、深かった。一瞬、ソフィーは、老婆が自分を見透かしていると確信した。この新しい体の肉と骨を通して、中にいる、怯える六十五歳の男を。
だが、ミセス・デ・スーザはただ、ゆっくりと首を振っただけだった。「男というものは」彼女は呟いた。まるで、それがこの世で唯一必要な説明であるかのように。「本当に、奇妙なものです」
「ええ、本当に」ソフィーは、少し息を切らしながら答えた。彼女は生き延びた。今のところ、物語は持ちこたえている。ソフィーの誕生は、完了した。
続きを読みたい方はこちらをクリック!
